「あの人にお願いしてよかった」と言われるFPになるために

執筆者:昆 知宏

    

FPの多くが目指しているゴール。

それは...

 「あの人にお願いしてよかった」 という言葉をお客様からいただくことではないでしょうか。

私もそのひとりです。
 

特に私は「家づくり」の支援を主なフィールドとしており、出会いから家の完成までが一つのサイクル。そのゴールで「お願いしてよかったです」と言ってもらえることが、何よりのやりがいです。

では、その一言をもらうには、FPとして何をすべきか?

答えはシンプルです。
 「お客様にとっての具体的なメリット」をどれだけ届けられるか だと思います。

顧客メリットには「直接的」と「間接的」がある

FPの仕事には、顧客にとってのメリットが大きく分けて2種類あります。

● 直接的メリット

分かりやすく言えば「お金の得」。
 FPに相談したことで、金銭的な利益が明確に得られることです。

● 間接的メリット

こちらは「心の得」。
 不安な気持ちに寄り添い、安心感や信頼感を与えるという心理的な価値です。

この2つのメリットをバランスよく提供し、想像以上の満足を届けられたとき、顧客の心に深く残る成果となり、「お願いしてよかった」という言葉が返ってきます。

特に今日伝えたいのは、「直接的メリット」の重要性です。
 

これは時に泥臭く動く必要があり、実践している人が意外と少ないと感じています。

「直接的メリット」は、顧客に伝わりやすい価値

たとえば、FP相談の料金が10万円だったとします。
 

その10万円以上の価値を提供できれば、相談料は「得な買い物」になります。

私の場合、不動産購入には登記がつきものなので、登記費用の特別割引をパートナー士業と連携してご用意しています。
 

その割引によって、5万円前後の削減が実現することもあります。

他にも住宅ローンや火災保険の提案において、
お客様が自分で選ぼうとしていた選択肢と比べ、
 「これだけ違います」と金銭的差額を示すのも大きな価値です。

比較対象(ベンチマーク)さえ明確になれば、
 FPとしてはそれを上回る提案をするだけなので、ある意味とても分かりやすい仕事です。

独自の人脈こそ、FPの武器になる

住宅分野で特に効果を発揮するのが、非公開情報や特別条件の提供です。

不動産会社や建築会社と深く信頼関係を築き、
 一般には出てこない物件情報や、特別価格、キープ枠などを確保できるようになると──
 

顧客に提供できる「カードの質」が劇的に変わります。

これは正直、泥臭い行動の積み重ねです。
 

相手に気に入られ、信頼されることでしか得られない優位性です。

もちろん、こうした動きは「間接的なメリット」(安心感や信頼)という土台があってこそ活きるものです。


 FPとして信頼を築いていなければ、そういったネットワークも効果を発揮しません。

もし「顧客の不安に寄り添うこと」にあまりやりがいを感じないのなら、割り切ってセールスに特化する道もあります。稼ぐだけならその方が早いのは間違いありません。
 

でも私は、「信頼×独自メリット」のかけ算こそがFPの真価だと思っています。

突き抜けたいなら、業界に「潜る」

専門分野を決めたら、その業界に深く潜ることをおすすめします。

方法はシンプル。
 

「この人、気になるな」と思ったら、泥臭く会いに行く。
 

会って、話して、関係を作る。そうやってしか得られない情報と人脈があります。

ぜひ行動してみてください。
 

その一歩が、顧客の「ありがとう」に変わる瞬間をつくります。

昆知宏
新潟の住宅会社に営業として勤めた後、『特定の会社に属さずに、客観的な立場から住宅購入をサポートできるFPになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするFPとして、新潟でこれから家を買う方への相談を行っている。コンサルティングフィーは土地建物価格の1%と高額ながら、多くの顧客に支持されている。

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