ある”恐い”実験の話をしましょう。
これは、アメリカで実際に行なわれた実験です。
この実験の結果は身の毛のよだつものですが、
実験結果の一部はビジネスに大いに
役に立つので、紹介したいと思います。
・・・
この実験では、20歳から50歳の
男性が対象として募集された。
実験協力者の教育背景は小学校中退者から
博士号保持者までと変化に富んでいた。
実験協力者には、この実験が参加者を
「生徒」役と「教師」役に分けて行う、
学習における罰の効果を測定するものだと説明された。
各実験協力者はくじ引きで「教師」とされ、
ペアを組む実験協力者が「生徒」となった。
クジには二つとも「教師」と書かれており、
被験者が「教師役」をさせるようにしていた。
被験者たちはあらかじめ「体験」として
45ボルトの電気ショックを受け、
「生徒」の受ける痛みを体験させられる。
次に「教師」と「生徒」は別の部屋に分けられ、
インターフォンを通じてお互いの声のみが
聞こえる状況下に置かれた。
実験の内容
「教師」はまず二つの対になる
単語リストを読み上げる。
その後、単語の一方のみを読み上げ、
対応する単語を4択で質問する。
「生徒」は4つのボタンのうち、
答えの番号のボタンを押す。
「生徒」が正解すると、
「教師」は次の単語リストに移る。
「生徒」が間違えると、「教師」は「生徒」
に電気ショックを流すよう指示を受けた。
また電圧は最初は45ボルトで、「生徒」
が一問間違えるごとに15ボルトずつ
電圧の強さを上げていくよう指示された。
ここで、被験者は「生徒」に電圧が付加
されていると信じ込まされるが、
実際には電圧は付加されていない。
しかし各電圧の強さに応じ、
あらかじめ録音された
「『生徒』が苦痛を訴える声」
がインターフォンから流された。
電圧をあげるにつれて段々苦痛の
アクションが大きくなっていった。
また電気ショックの機械の前面には、
200ボルトのところに「非常に強い」
375ボルトのところに「危険」などと
表示されている。
これは記録映像を見ればわかるが、
音声はまるで拷問を受けているかの如く大絶叫で、
一見してとても演技とは思えない迫力であった。
75ボルトになると、
不快感をつぶやく。
120ボルトになると、
大声で苦痛を訴える
135ボルトになると、
うめき声をあげる
150ボルトになると、
絶叫する。
180ボルトになると、
「痛くてたまらない」と叫ぶ。
270ボルトになると、
苦悶の金切声を上げる。
300ボルトになると、
壁を叩いて実験中止を求める。
315ボルトになると、
壁を叩いて実験を降りると叫ぶ。
330ボルトになると、
無反応になる。
被験者が実験の続行を拒否しようとする
意思を示した場合、
白衣を着た権威のある博士らしき男が
感情を全く乱さない超然とした態度で
次のように通告した。
「続行してください」
「この実験は、
あなたに続行して頂かなくては」
「あなたに続行して頂く
事が絶対に必要なのです」
「迷うことはありません、
あなたは続けるべきです」
四度目の通告がなされた後も、
依然として被験者が実験の中止を
希望した場合、その時点で実験は中止された。
さもなくば、最大ボルト数として
設定されていた330ボルトの電圧が
三度続けて流されるまで実験は続けられた。
(Wikipediaより引用)
実験の結果
さて、この実験の結果は
一体どうなったのでしょうか?
この実験を行うにあたって、
事前に実験結果を予想する
アンケートが実施されました。
その結果、回答者は全員、実際に
最大の電圧を付加する者はごくわずか
(平均1.2%)だろうと回答したのです。
しかし・・・
実験の結果は驚くべきものでした。
実際の実験結果は、被験者40人中25人
(統計上62.5%)が用意されていた
最大V数である450ボルトまでスイッチを
入れた、というものだったのです。
この実験には、被験者には武器で脅される
といった物理的なプレッシャーや、
精神的なプレッシャーは全くありません。
それにも関わらず、
多くの一般人はこのような
一見非道に見える行動をしたのです。
なぜか?
では、一体なぜこのような結果に
なったのでしょうか?
その理由は・・・
『権威』
の力が働いたからです。
この実験では、被験者は
『白衣を着た権威のある博士らしき男』
に命令されています。
人は「権威」に弱く、権威者や
専門家の言う事はほぼ無条件に
信じ込むという特性を持っています。
大学教授にものを教えられたら、
正しい事だと信じるようになります。
医者に「このクスリを飲んで下さい」
と言われたら、その通りに行動をします。
警察に「止まりなさい!」
と言われたら、その命令に従うでしょう。
権威のある人に何か言われると、
無条件にその通りにしやすいのです。
その特性がどれくらい影響を及ぼすのかを、
この実験結果が物語っています。
ビジネスに応用するには?
この実験結果から、ビジネスに
活かせる教訓を得ようとするならば、
『お客さんからYESを引き出すには、
自分を”権威者”としてアピールするのが有効』
ということになります。
実験結果は恐ろしいものですが、
こういった捉え方もできますね。
自分が権威のある人物だと思って
もらえれば、お客さんが言う通りに
行動してくれる可能性は高くなります。
できることは、意外にたくさんあります。
・清潔感のあるスーツを着る
・猫背ではなく、キレイな姿勢を保つ
・雑誌等のメディア実績があることを示す
・セミナー講師の実績を示す
・相談件数、相談実績を示す
・肩書きを変える
・お客様の声を示す
あなたは、お客さんから見て
“権威”を感じる存在に見えるでしょうか?
もし工夫をができるものがあれば、
是非実践してみて下さい。