FPは専門特化しなくてもいい?

石塚駿平

「専門特化しなさい!」

マーケティングの勉強をすると、
必ずこの言葉を見聞きするはずです。

ポジショニングの基本ですからね。

特にFPはできることが多いので、
専門特化の重要性が強調されることが多いです。

そして、実際に専門特化をすると、成功のスピードが上がります。

「誰を対象にして何をしているのか」

が明確になるので、お客さん側から見た時に

『この人が私が探している専門家だ!』

と思ってもらいやすいからです。

相続に絞る、住宅購入に絞る、マンション投資に絞る・・・

そして、さらに強みや対象顧客を明確にして絞っていく。

こういったやり方は、1つの王道パターンです。

成功のスピードは確実に早くなります。

こう聞くと、

『何かに専門特化しなきゃいけないの?』

と思うかもしれませんが、、、

僕は、必ずしもそうではないと思っています。

専門特化しなさい!と言われるともやもやする

FPというのは、色々な分野の相談に乗れますよね。

そして、FPを志した人の中には、

『ライフプラン全般の相談に乗りながら、顧客と一緒に人生を歩んでいきたい』

と考えて独立をした人が多いというのも知っています。

そこにやりがいを感じている人に、

「専門特化しなさい!」

というのは、ちょっと酷ですよね。

実際に、やりたいこととマーケティングの狭間で迷っているFPは多いのではないでしょうか?

パターン1:入り口に特化する

こういった悩みを抱えている人に対して、僕ができるアドバイスは2つです。

まず1つは、顧客接点を作りやすい分野に専門特化をして、サービスの提供を通して信頼関係を作り他の相談にも乗るというパターン。

例えば、住宅購入の相談に専門特化して(しているように見せて)、住宅購入が終わったら顧問契約に移行する。

そして、資産運用の相談や将来的に相続の相談にも乗っていく、という形です。

こうすれば、ポジショニングも明確になるし、やりたいこともできますよね。

パターン2:一貫性のあるコンセプトを作る

もう1つのパターンは、見込み客を惹き付けるコンセプトを作るというパターンです。

例えば・・・

『100歳まで安心できるお金の設計図』

『退職後に毎月40万の不労所得を得る』

『サラリーマン家庭の為のプライベートバンカー』

のように、1つ明確なコンセプトを掲げるのです。

これは、自分が本当に考えていることであり、かつ見込み客にとって魅力的なものであるといいですね。

そして、上に挙げたコンセプトを実現する為には、幅広い相談に乗る必要がありますよね。

つまり、自分のやりたいことを思いっきりやれる訳です。

”手段”を売ってはいけない

重要なポイントは、

「何でも相談して下さい」

だったり、

「住宅の相談もできます」「年金の相談もできます」「資産運用の相談もできます」

というように、『自分のできること』のバーゲンセールにならないようにすることです。

そうではなくて、

「ここを一緒に目指していきましょう。その為にあなたが必要なのは○○です」

というように、幅広い相談というのが”手段”になるようにするのです。

そうすることによって、あなたは”何でも屋”ではなく一本筋の通ったFPになります。

その結果、幅広い内容の相談に乗ってもポジショニングがブレませんし、高いフィーでも受け入れてもらうことができるようになります。

もしあなたが、

「FPとしてまんべんなく相談に乗りたいけど、専門特化しろと言われて悩んでいる・・・」

のなら、今回お伝えしたことを参考にしてみて下さい。

FPは他の業界とはちょっと違うので、教科書通りにならないこともあるものです。

石塚 駿平
株式会社FPライズ代表。独立FPに専門特化したコンサルティング、セミナー開催などを行っている。現在は依頼のほとんどを断っているが、相談料5万円の住宅相談をネットから月10名集客、開業コンサルティングを行なったFPが独立後15日で100万円以上の売上げを達成など、多くの成果を上げている。

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