昆さんも先日のメルマガで取り上げていましたが、
話題になっているレポート、
金融審議会市場ワーキング・グループによる
「高齢社会における資産形成・管理」報告書(案)
を読んでみました。
読んでみての感想ですが、、、
これ、思っていたよりもFP業界にとっては
大きなインパクトをもたらすものだと気付きました。
1つ、大きな転換点になると思います。
そして、この報告書は独立FPにとって、
『最高の価値伝達ツール』
になると感じました。
これ、顧客との会話の中で絶対に取り入れるべきものです。
ただ読むだけではもったいないですよ。
現役世代の資産形成
このレポートで、僕が時に
活用できそうだと思った所が2点あります。
※提供しているサービスによって使える箇所は変わってきますが、汎用性のある所を抜き出していきます。
例えば、相続の相談を行っている方は認知症に関する記述が使えそうです
まず、1つは現役世代の資産形成についての文章です。
(1)個々人にとっての資産の形成・管理での心構え長寿化が進む中、資産形成・管理において、資産寿命を延ばす観点から、 広く国民が知っておくことが望ましい事項があると考えられる。詳しくは付属文書1で述べることとするが、人生のステージに応じて整理すると以下のような点が考えられる。
現役期
長寿化に対応し、長期・積立・分散投資など、少額からでも資産形成の行動を起こす時期であり、例えば、以下のような対応が有効と考えられる。
・「人生100 年時代」においてこれまでよりも長く生きる人が多いことを前提に、老後の生活も満足できるものとなるよう、早い時期からの 資産形成の有効性を認識する。
・生活資金やいざというときに備えた資金については元本の保証されている預貯金等により確保しつつ、将来に向けて少額からでも長期・積 立・分散投資による資産形成を行う。
・自らにふさわしいライフプラン・マネープランを検討する(必要に応じ、信頼できるアドバイザー等を見つけて相談する)。
・金融サービス提供者が顧客側の利益を重視しているかという観点から、長期的に取引できる提供者を選ぶ。
ドンピシャでFP相談について書かれてる
ここで特に気になったのが、
・自らにふさわしいライフプラン・マネープランを検討する(必要に応じ、信頼できるアドバイザー等を見つけて相談する)。
という所ですね。
国が独立FPへの相談を勧めている訳です。
この文章を引用して顧客に伝えれば、FPが提供しているサービスというのは
『お金のことに関心が高い一部の人が受けるサービス』
ではなく、
『多くの人が積極的に受けるべきサービス』
という風に感じてもらうことができます。
アドバイザーの存在をプッシュ
そして、もう1つの箇所は、
ウ.アドバイザーの充実
個々人のライフスタイルが多様化する中、金融商品・サービスも多様化 してきている。
こうした多様な商品・サービスを個々人が自身の力のみで選 ぶことについては、人によって困難が伴うことも想定される。
この観点から、個々人に的確なアドバイスができるアドバイザーの存在が重要である。
現状では、その役割は主として本人に一番身近な金融機関などが担うことが想定されるが、業態ごとの商品・サービスが多様化している ため、単一の業態の金融サービス提供者が全ての商品・サービスを俯瞰したアドバイスを行うことには難しい面がある。
このため、特に強く求められるのは顧客の最善の利益を追求する立場に立って、顧客のライフステージに応じ、マネープランの策定などの総合的なアドバイスを提供できるアドバイザーである。
米国では証券会社などの金融サービス提供者から独立して、顧客に総合的にアドバイスをする者が多数おり、日本でもこれに類似する者は存 在するものの、まだまだ認知度は低く、数は少ない。
今後は認知度向上に努めるとともに、そのサービスの質的な向上に努めることが望まれる。
この部分です。
フィーを払うことが”当然"になる
この部分を引用して、
『自分が顧客に総合的にアドバイスをする存在です』
と伝えることができ、なおかつ米国ではフィーを払うのが一般的だと伝えれば、FPにフィーを払うことは”当然"になります。
こういう風に、このレポートを引用して顧客への提案に活用することができます。
これは、個人や会社の意見ではなく、”国”の意見です。
権威性が全く違いますね。
この力を、全ての独立FPは活用すべきだと思います。
FPの存在意義が大きくなる
このレポートを通して、国は自助努力やアドバイザーの力を借りることがこれからの社会では『必須』になってくると伝えています。
これは何を意味するかというと、
『独立FPはお金(フィー)を払うべき対象』
という認識を確立できるということです。
これから生きていくのに必須なのであれば、ある程度お金を払うのは当然ですよね。
人はFPにどれくらいお金を払うのか?
では、どれくらいのお金をもらえればいいのか?
ということですが、フィーをベースにするならば個人の顧客から月額1万円以上を頂くべきだと思ってます。
月額1万円というと、高いと感じるかもしれません。
でも、一般的な世帯でも月額1万円くらいを払っているサービスはたくさんあります。
・スポーツジムに通う
・料理教室に通う
・テニススクールに通う
・子どもの習い事
・定期購入のサプリメント
などなど、挙げるとキリがないくらいあります。
そして、これは人生において必ずしも『必須』な訳ではありません。
そう考えると、これからの人生に『必須』なファイナンシャルサービスにそれ以上のお金を払うのって自然だと思いませんか?
しかも、そのお金は浪費ではなく大きなリターンになって戻ってくるお金です。
それ以上に得られるものもあるでしょう。
このレポートを提案に活用しよう
今回のレポートというのは独立FPにとって100%追い風です。
このツールを、FPサービスの提案に取り入れてみて下さい。
そうすれば、顧客の反応は変わるはずです。
成約率にも良い影響を与えるでしょう。
そして、自分の提供しているサービスの価値を再認識して、自信をもってフィーを提示する。
それができれば、国が指し示す方向に沿った形で顧客もFPもより幸せになれるはずです。
P.S.
FPサービスを”必要経費"としてライフプラン作成時に組み込むというのも使える方法です。
そういった使い方も、このライフプランソフトではできるみたいです。
↓
https://fprise.com/seminar/fpc/video.html