聞き入れられないアドバイス

石塚駿平

故事成語として、こんな言葉があります。

『曲突、薪をうつすは恩沢なく、
焦頭爛額、上客となすや。』

どのような意味かというと、

ある旅人が、とある民家の前を
通りかかった際、煙突から火の粉が
出るくらいかまどの 火が燃え上がって
いる様子を見て心配になり、

「煙突は屋根とは反対方向に
曲げておいた方がいいですよ。

それから、薪もなるべく煙突から
離れた所に移しておいた方がいいですよ。」

と助言しました。

しかしながら、その主人は、

「うるさい。よそ者は余計なことを言わないでくれ」

と、その親切な助言を無視してしまいました。

ところがその翌日、煙突から
吹き出した火の粉により、
屋根や薪に火がつき、結局、
大火事になってしまいました。

その大火事の際、その民家の前を
通りかかった別の旅人が、
頭を焦がし、額を爛れさせながら
消火を手伝い、活躍しました。

そこで、その主人は、後から来たその
旅人を酒や料理で手厚くもてなした。

ということのようです。

聞く耳を持ってくれない時

問題が発生しないように
アドバイスをしても、聞く耳を
持ってもらえないことはよくありますよね。

病気なんかがその典型です。

「食生活は気をつけた方がいいよ」

「あんまりお酒を飲み過ぎない方がいいよ」

「たばこは吸わない方がいいよ」

こういったアドバイスというのは、
ほとんど聞き流されてしまいますよね。

そして、いざ病気になってしまったら、

「あの時ああしていれば・・・」

と後悔してしまうのがよくあるパターンです。

そして、この故事成語は
こういった日常生活に当てはまる
だけではありません。

FPビジネスのやり方についても、
大きな示唆を与えてくれます。

結果が伴わない理想論

FPの方の中には、

「いまのままだと将来困るから、
今のうちに準備をしておいた方が良い」

という主張を持っている人はたくさんいますよね。

資産運用にしろ、相続にしろ、
リフォームにしろ、こういった
意見には全面的に賛成です。

早めに準備をすることに越したことはありません。

しかし・・・

これも同じように、なかなか
受け入れてくれないアドバイスなんですよね。。

大抵の場合、問題が起こるまでは
放っておいて、問題が起こったら
やっと相談に来ることが多いです。

既に相談業務を行っている方は、
きっと頷いてくれるでしょう。

なので、

『事前に準備をしておくべき』

という理想論を掲げても、
FPビジネスは上手く行かない場合がほとんどです。

ではどうすれば良いのでしょうか?

この問題の解決法は、
大きく分けると2パターンあります。

既に感じている”痛み”を探す

1つは、

『既に痛みを感じている人』

を相手にすることです。

既に痛みを感じていれば、
人は行動を起こします。

そして、そこで接点を持ったら
まずはその痛みを解消してあげる。

そして、

「この人は自分の問題を解決
してくれる信頼できる人だ!」

という信頼関係を構築したら、
本当にすべきことを教育していくのです。

イメージとしては、
歯医者を考えるとわかりやすいですね。

虫歯が痛ければ、歯医者に行きます。

そこで、しっかりと虫歯を直してくれた人に

「これからは、虫歯にならないように
定期的なケアをしてきましょう!」

と言われたら、そのアドバイスを
しっかりと聞き入れそうですよね?

関心が既にある所を接点にする

もう1つは、何とかして問題が発生する
前に興味を持ってもらう方法です。

前者の方が反応を取りやすいですが、
ビジネスモデル的にそれだと
成り立たない場合が出てきます。

例えば・・・

・老後のための資産運用
・相続発生までの準備
・リフォーム資金の積み立て

こういったものは、
痛みを感じた時点でもう手遅れです。

その場合は、その人が既に興味や
関心を持っている所を接点にして
話を繋げていく必要があります。

「老後の資産について、
今から考え始めてみませんか?」

というメッセージは、非常に力が弱いです。

そうではなくて、例えば今であれば

「マイナス金利時代にあなたが
絶対知っておくべきこと」

というメッセージを作り、
そこに来たお客さんを徐々に
教育をしていく方が効率的です。

崇高な理念だけではダメ

『曲突、薪をうつすは恩沢なく、
焦頭爛額、上客となすや。』

この人間の特性を無視して、
持つべき視点を間違ってしまうと、

『崇高な理念を掲げているけど、
お客さんが来ないから何も価値を提供できない』

という状態になってしまう危険性があります。

それでは、もったいないですよね。

人の持っている特性に合わせて
メッセージを作ることは非常に大切です。

あなたがお客さんに伝えている
メッセージは、この視点を含んでいますか?

確認してみて下さいね。

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この記事を書いた人

石塚 駿平

株式会社FPライズ代表。独立FPに専門特化したコンサルティング、セミナー開催などを行っている。現在は依頼のほとんどを断っているが、相談料5万円の住宅相談をネットから月10名集客、開業コンサルティングを行なったFPが独立後15日で100万円以上の売上げを達成など、多くの成果を上げている。2019年はカナダを生活の拠点にしながら活動中。

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