豊臣秀吉に仕えていた人物の一人に、
曽呂利新左衛門という人物がいました。
新左衛門はとても頭がよく、
とんちの効いた発言で人を笑わせることも得意でした。
落語家の始祖とも言われています。
ある日、新左衛門は秀吉と将棋をさし、
見事に勝利をしました。
そこで、秀吉は新左衛門に、
『わしに買ったほうびとして、
何でも好きなものを与えよう。』
と言いました。
それを聞いた新左衛門は、こう答えます。
『では、この将棋のマス目に米を一粒。
次のマス目に二粒。
次のマス目に四粒。
これを81のマス目が一杯になるまでください。』
それを聞いた秀吉は、新左衛門の欲のなさに関心し、
その通りにしようとしました。
しかし、しばらく考えてみると、
途中で蔵の米がなくなってしまうことに気づいたのです。
秀吉は、慌ててその提案を断りました。
・・・
みなさんいかがでしょうか?
これが、複利の力です。
元本が増えて、その元本に対して利息が付くと、
お金は雪だるま式に膨れ上がっていきます。
この話の場合、50マス目でさえ米粒の数は、
約500兆粒という、膨大な数になるのです。
この話のように毎回2倍というわけには
いきませんが、例えば年率○○%で○○年運用したとすると・・・
(資産運用の話に移る)
・・・
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あるセミナー講師のFPは、
このように複利について説明しました。
一方で、また別のFPはこのように説明します。
・・・
複利というのは、
増えた元本に対して利息が付くことです。
元本が増えれば、その分増えるお金も増えるので、
これを繰り返せばお金は雪だるま式に膨れ上がっていきます。
例えば年率○○%で○○年運用したとすると・・・
(資産運用の話に移る)
・・・
・・・
・・・
さて、この2つの説明の仕方を比べると、
どちらがわかりやすく、印象に残るでしょうか?
ストーリーの力
圧倒的に前者ですよね。
何が違うかというと、
前者はストーリーを語っています。
利用した秀吉の寓話は、
わかりやすく複利の力を伝えるものです。
それが実話かどうかはわかりませんが、、
そんなことはあまり気にする必要はありません。
"ストーリーを使う”という手法は、
とてもパワフルな方法です。
世界的な名著には、
このようなストーリーがふんだんに使われています。
例えば、フランクリン・コヴィー博士の著作であり、
2,000万部以上売れているベストセラー、
“7つの習慣”の中でもたくさんのストーリーがあります。
その中の1つを引用してみましょう。
・・・
ひとりの男性が子供たちを連れて車両に乗り込んできた。
すぐに子供たちがうるさく騒ぎ出し、
それまでの静かな雰囲気は一瞬にして壊されてしまった。しかし、その男性は私の隣に座って、
目を閉じたまま、周りの状況に全く気がつかない様子だった。子供たちといえば、大声を出したり、物を投げたり、
人の新聞まで奪い取ったりするありさまで、
なんとも騒々しく気に障るものだった。ところが、隣に座っている男性はそれに対して
何もしようとはしなかった。私は、いらだちを覚えずにはいられなかった。
子供たちにそういう行動をさせておきながら注意もせず、
何の責任もとろうとはしない彼の態度が信じられなかった。周りの人たちもいらいらしているように見えた。
私は耐えられなくなり、彼に向かって非常に控えめに、
「あなたのお子さんたちが皆さんの迷惑になっているようですよ。
もう少しおとなしくさせることはできないのでしょうか」と言っててみた。
彼は目を開けると、まるで初めてその様子に
気がついたかのような表情になり、柔らかい、
もの静かな声でこう返事した。「ああ、ああ、本当にそうですね。
どうにかしないと・・・。たった今、病院から出て来たところなんです。
一時間ほど前に妻が・・・、
あの子たちの母親がなくなったものですから、
いったいどうすればいいのか・・・。子供たちも混乱しているみたいで・・・。」
その瞬間の私の気持が、想像できるだろうか、
私のパラダイム(ものの見方)は、一瞬にして転換してしまった。突然、その状況をまったく違う目で見ることができた。
違って見えたから違って考え、
違って感じ、そして、違って行動した。今までのいらいらした気持は一瞬にして消え去った。
自分のとっていた行動や態度を無理に抑える必要はなくなった。
私の心にその男性の痛みがいっぱいに広がり、
同情や哀れみの感情が自然に溢れ出たのである。
積極的に取り入れるべき!
この話は、「ものの見方があなたのあり方を決める」
という原則を説明したものです。
こういったストーリーを挙げて説明してもらうと、
『ものごとは、それ自体に決まった意味があるわけではない。
あなたのものの見方を通して見えているだけなのだ』
と、このように言葉だけで説明されるよりも、
かなりわかりやすく理解ができるはずです。
このように、ストーリーを語るという方法は、
とーーーーーっても有効な方法です。
そして、あなたも簡単に使うことができます。
一番最初に挙げた秀吉の話のような寓話や、
お客さんで実際にあった例などを入れるだけで、
あなたの話は一気に面白いものになります。
セミナーで話をするのならお客さんは話に聞き入り、
記事を書いたなら文章に”引き込む力”が生まれます。
あなたも、知識を伝える為にストーリーを語る事が
できないか、是非考えてみて下さい。
何個かストックしておくと便利ですよ。