前回の記事では、
ということで、時間制モデルについて説明をしていきました。
今回の記事はその続きになります。
このビジネスモデルを知ることで、
参考にできることも多いはずです。
アメリカで起こっていることはいつか
日本でも起こる可能性が高いからです。
それでは早速、続きを見ていきましょう。
時間制モデルのメリット
時間制モデルの一番の長所は、
『本当に必要なサービスを適切な料金で提供できる』
という所にあります。
例えば、資産1億円の人と5000万円の人を比べた時、
資産額に応じたフィーをもらうと2倍の差が出ます。
しかし、5000万円の人の方が1億円の人よりも
状況が複雑な可能性がありますよね。
そうなった時、時間制モデルを採用していると
適切な料金で適切な時間を使うことができます。
FP側からすると、資産額が少ないのに複雑な案件で
かかる時間に対して相応のフィーがもらえない。
クライアントからすると、作業量が少ないのに
高額なフィーを払わなければならない。
こういった状況を避けることが可能です。
時間制モデルのデメリット
ただ、もちろんデメリットもあります。
まず挙げられるのが、
『顧客とゆっくり話せない』
ということ。
時間が決められているので、
家族のことを話したり雑談をする時間が持てません。
その結果、雑談を通して顧客との信頼関係を
作るのが難しくなってしまうことが考えられます。
実際に、資産額に応じたフィーモデルでやっているFPは、
「私はもっと顧客との関係を大事にしたい」
ということでこのデメリットを挙げていました。
また、時間制モデルは実行支援まではやらずに提案までに留まります。
そこまでやったらすごい時間がかかりますからね・・・
なので、顧客に自分でできる能力があればいいですが、
提案したプランを実行に移す所までは面倒を見られません。
あとは、FP側が経験したことのない問題に直面した場合、
調べるのに時間がかかるので料金が高くなってしまう場合があるとのことです。
どのモデルも一長一短がある
ここらへんがメリット・デメリットですね。
万能なビジネスモデルはなく、一長一短なので
自分の考え方に合ったモデルを選ぶという所だと思います。
それでは、残りは訪問をした
Timothy Financialの特徴を列挙していきますね。
アドバイス体制について
1人の顧客に2名のアドバイザーが担当で付きます。
1人がメインのアドバイザーで、1人がサポートです。
同じアドバイザーでもメインになる場合もあれば、サポートになる場合もあります。
クライアントはどちらにも電話などの連絡ができます。
そして、アドバイザー全員がクライアントの情報に
アクセスできるようにしているとのことでした。
これは、1人ではなかなかできないですね。
組織を作るメリットだと感じました。
税金の知識は一般人にはない
アメリカ人は一般の人でも税金の知識があると思っていましたが、
このFP事務所の代表の方は、
「アメリカ人は税金の知識がない」
と断言していました。
意外ですね。
仕組みは毎年変わるし複雑なので、
自分で計画を立てられる人はいないそうです。
特にアメリカでは税金は大きなファクターなので、
こういった所はFPを使うメリットが大きいかと思われます。
外部の専門家が必要な時
弁護士や税理士が必要な場合は、適切な専門家を紹介するそうです。
料金は各専門家に個別で払います。
紹介料などを受け取ることは一切ないとのことでした。
ただ、紹介があることによって割引の交渉をする場合があるようですね。
割引がある場合は、顧客が得られるメリットが大きくなりますね。
顧客数は?
事務所全体で、500〜600人くらいのクライアントが1年で来るそうです。
そのうち約400人は毎年来るクライアント。
1人のアドバイザー見ているのは200人ほどにもなるそうです。
サポート役のものも含まれている数字ですが、200人はすごいですね・・・
また、毎年来る人も多いけれど、5年とか10年経って新しい
ファイナンシャルプランが必要になったタイミングで来る人もいるとのことでした。
集客はどうなってるの?
マーケティングはあまり力を入れていないようです。
特に力を入れなくても集客ができているということですね。
集客経路としては、
・既存クライアントからの紹介
・弁護士や税理士などの他の専門家からの紹介
・NAPHAのウェブサイトや自社ウェブサイトから
・他のFPからの紹介
上記が25%ずつ、という感じのようです。
他のFPからの紹介ってどういうこと?
他のFPからの紹介があるというのは驚くかもしれませんが、
資産額に対してフィーを頂くタイプのFPが紹介をしてくれるようですね。
どういうことかというと、
資産額に対してフィーをもらうFPはどちらかというと、
「お金を預けるからあとはお願い!」
というタイプの顧客が向いています。
一方で、
「人に任せないで自分でやりたい!」
というタイプの人もいます。
そういった人にとって、時間制のFPの方が良いマッチングになります。
なぜなら、時間制のFPは
「ここまではプランニングしました。後は自分でやってね」
という形になるからです。
なので、
「人に任せないで自分でやりたい!」
というタイプの人が自分の所に来た時、
信頼できる時間制のFPを紹介する場合があります。
これが、FPがFPを紹介する理由ですね。
参考になる部分はありましたか?
以上、シカゴのFP事務所訪問レポートでした。
アメリカでは資産額に対してフィーをもらうのが基本的なモデルですが、
このような時間制のモデルを採用しているFPもいます。
料金のチャージの仕方などは、
日本でも参考になる部分があるのではないでしょうか?
またこのような機会があればレポートを作っていきますね。
P.S.
この後の記事では、フィーオンリーのFP団体である
NAPFAのカンファレンスに関するレポートをお届けします!