なんか今年は異質だ。
まもなく大きなことが起こりそうな気がする。
こんなに購入者のマインドが冷えているのは経験がない事態だ。
独立系FPとして活動して、7年。
今まではなかったことが起きました。
それはコンサル契約をしていたお客さんが家を建てない決断をしたことです。
あと1時間後に不動産の契約。
このタイミングで「やはり家を買うのをやめます」という連絡がきたのです。
不動産屋さんは大慌て。
前代未聞の1時間前のキャンセルです。
ルール上は、まだ契約をしているわけではないので金銭的な損失はありません。
なのでお客さんと私で不動産屋に謝って、白紙に戻すことができました。
(今後その不動産屋へは、お客さんは出禁扱いになってしまいましたが)
この経験をして私は思いました。
独立系FPってやっぱり最強の相談相手だなということです。
やはり売る必要が立場が最強
最近は言っていることとやっていることが違う業者が増えているように思います。
表向きには第三者の立場で相談すると言いながら、結局何かの代理店になってしまっているということです。
これでは相談者が何かを買わない限り収益を生みませんから、中立の立場とは言えないでしょう。
しかし私は相談料を頂くことによって、完全に顧客の立場に立ったアドバイスをすることをモットーにやってきました。
なので、今回のように「やっぱりやめる」と言われて最初に思ったことは、「勇気を出して言ってくれてありがとう」という気持ちでした。
本当に不動産屋さんには申し訳ないのですが、ルール上はギリギリセーフ。
契約してしまうと違約金が発生してしまうので、金銭的な負担なく辞退するにはラストチャンスでした。
このまま買ってしまって不安な気持ちに潰されてしまっていたと思うので勇気ある決断に拍手です。
相談者さんはドタキャンしたことで、私にも怒られてしまうと思っていたようでしたので拍子抜けされたようです。
「そう言っていただけると助かります。いったんクールダウンして、家を建てるのを本当にやめるのかどうするのかまた連絡します。」
ということでした。
大きな買い物をサポートしてあげてほしい
独立系のFPはお客さんの真の意味での相談相手になることができます。
繰り返すように、相談者さんが物件を買おうが買うまいが、どちらでも構わないからです。
買ってくれないと収益が上がらないという立場とは天と地の差だと思います。
特に不動産は、車を買うかのごとく決断までの時間が短いです。
35年ローンを組んで買う方の心構えと売る方の軽さと圧力のギャップが埋まることはありません。
ここ最近の受注困難傾向にあり、売り手の圧が増すばかりで買う側の苦悩はさらに続きそうです。
そんな環境下でわざわざFPをコンサルタントとしてパートナーに迎え入れてくれた顧客の期待は何なのか?
この仕事の原点を改めて考えさせられましたし、私自身もブレずに活動を続けていきたいと思いました。
FPの能力をどう使う?
FPの能力を使って、何かの商品を売ることに全力を尽くすのか。
それとも、お客様を守る立場に徹するのか。
ハッキリ言って、前者の方が格段に利益を上げることはできるでしょう。
前者がいいとも後者がいいとも言うつもりもありません。
それぞれが自分のミッション・目標・目的を達成するためにFPとどう付き合うのか。
ただそれだけです。
後者の方は圧倒的に人材不足です。
あなたがゴリゴリに稼ぎたいというわけではなく、お客さんの役に立ちたいと思っているのならまだまだ活躍の場があります。
しかし大事なのは、後者の傾向が強いほどお客さんからお金をもらう罪悪感を持っています。
それではあなたが事業を継続できません。
あなたが提供しているサービスに価値があると思うのであれば、相談料をあなたが妥当と思う額でしっかり提示してください。
今回私はこのようなことがあっても相談料の返金はありませんし、相談者もそれを事前に承知しています。
これこそ、『相談』の価値そのものだと言えます。
PS
ちなみにこの方が家を買うのをやめた理由は、「住宅ローンのプレッシャーに耐えられなさそう」ということでした。
ライフプラン上もギリギリのところだったので買ったら返してはいけるものの、プレッシャーは感じやすいだろうというアドバイスをしていました。
買う買わないにしても、自分自身でしっかりと悩む時間を作ったことは相談者にさんには絶対にプラスになるはずですよね。