顧客が求めるものを無視すべき理由

つくばのスタバより
執筆者:石塚駿平
  

FPのマーケティングを考える上で、僕がよく考える大きなテーマがあります。

それは、

『FPは顧客が求めるサービスを提供するべきなのか、それともFPが良いと思うサービスを提供するべきなのか?』

というものです。

マーケティングの用語でいうと、顧客が求めるサービスが『マーケットイン』と呼ばれるもので、FPが良いと思うサービスが『プロダクトアウト』と呼ばれるものですね。

マーケティングの勉強をするとよく出てくるのは、

『プロダクトアウトではなくマーケットインの発想を持ちましょう』

という考え方です。

自分が良いと思う独りよがりのサービスを提供するのではなく、顧客が求めるものをちゃんと提供しましょう。

そうしないとビジネスはうまくいかないですよ。

というものですね。

これはこれで間違っている訳ではないですし、僕がFP業界に入った当初はそう考えているのですが、今では僕は違う考えを持っています。

常識とは異なる考え方

その考え方というのは、

『FPとして成功したいのであれば、自分が良い思うサービスを提供する方が大事』

だというものです。

これは非常に慎重に扱うべき言葉であり、この部分だけを切り取ったら誤解だらけになりそうな考え方なので、ちょっと説明をしていきますね。

まず、顧客との接点を持つという意味では、顧客が欲しいと思うものを提供するマーケットインの考え方はとても大事になります。

例えば、腰が痛くて困っている人がいたとしましょう。

その人を見て、仮に本当の原因が食習慣にあることを専門家が見抜いたとします。

しかし、その人に

「あなたの食習慣を見直せば、腰の痛みの根本的な原因がなくなりますよ」

と言ったとしても聞く耳を持ってくれないと思います。

なぜなら、その人の頭の中で腰の痛みと食習慣というものが繋がっていないからです。

その人に興味を持って話を聞いてもらう為には、

「今のあなたの腰の痛みをすぐに解決する方法がありますよ」

と言った方が、確実に興味を持ってもらうことができるはずです。

マーケットインではできないこと

という感じで、顧客との接点を持つという意味ではマーケットインの考え方は重要です。

しかし、その先で大きな価値を提供しようとすると、マーケットインの考え方には限界があります。

なぜかというと、顧客は自分の問題の本当の原因を理解していないからです。

FPが扱うお金の分野では、ほとんどの場合でそうなります。

「将来の老後資産を作るためには家計の見直しが必要だ」

と思っていたとしても、本当にそれが最善の解決策であるとは限りません。

他の手段を取った方が目的を達成できる可能性が高まるかもしれません。

それに、そもそも必要だと思っていた老後資産を作る必要性がそもそもないかもしれません。

そうなった時に、顧客が求めているものを提供するよりも、FPが良いと思っているものを提供した方が大きな価値を与えることができます。

そして、大きな価値を与えることができた方が、対価としてもらえるお金も大きくなります。

こういった理由から僕は、

『FPとして成功したいのであれば、自分が良い思うサービスを提供する方が大事』

と考えているのです。

顧客の想像できる範囲には限界がある

顧客の求めるものというのは、顧客が想像できる範囲を出ることはありません。

しかし大抵の場合、顧客が想像していない範囲の所に大きな価値があったりするものです。

「そんな方法があるなんて考えてもいませんでした!」

「この考え方を教えてもらったおかげで人生が変わりました!」

と言われるようなアドバイスを提供するには、FPが自分の経験や知識を使って自分の頭で考える他ありません。

ちなみに、AIも似たようなもので、AIが出せる答えというのは過去の人間の考え方やデータによるものなので、想像の範囲や求めている以上の答えを出すことは難しいでしょう。

だから、FPが自分の頭で考え、顧客にとって何がベストなのか?ということを顧客の想像の範囲外から手繰り寄せることが重要になってくるのです。

群を抜いて上手く行っているFPの共通点

僕が見ているFPの中で、群を抜いて上手くいっている人は必ずこの考え方ができています。

逆に、あまり稼げていない人や軌道に乗っていない人は、顧客の要望に合わせてしまっている場合がほとんどです。

その結果、顧客が想像している以下の価値しか提供できないのでFPビジネス自体が上手く行かないのです。

世間一般の人は、FPが持っている価値を理解しているでしょうか?

絶対していないですよね。

だから、インターネットでFPとして独立することに対して「そんなの絶対無理だよ」という意見が多かったり、メディアで著名な人が「技術の発展によってFPはいなくなる」という発言がでてくるのだと思います。

本当の意味でFPビジネスを成功させようと思ったら、自分の考えを信じてFPとしてできることを深堀りし、顧客の頭の中にないような価値を提供することが必要です。

もちろん、軸が顧客としっかり合っている必要はありますが、ある程度は顧客の求めることを無視して、自分の信じることを突き詰めることが、FPビジネス成功の秘訣には必要だと僕は信じています。

P.S.

近日中に、自分が正しいというFPサービスを提供して、個人向けの顧問契約という形式で非常に成功しているFPの実例を公開したいと思います。

この記事では考え方を伝えましたが、具体例を知ることは非常に有益な学びになるはずです。

また明日に詳しい内容をメルマガでお伝えしますので、楽しみにしていてください。

石塚 駿平
株式会社FPライズ代表。独立FPに専門特化したコンサルティング、セミナー開催などを行っている。現在は依頼のほとんどを断っているが、相談料5万円の住宅相談をネットから月10名集客、開業コンサルティングを行なったFPが独立後15日で100万円以上の売上げを達成など、多くの成果を上げている。

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