目に見えないものを巧妙に売り込む戦略

石塚駿平

実物が見えないものを売るのは難しい。

これは、あなたもよく知っていることだと思います。

FPのサービスは目に見えるものではありません。

車や洋服のように、”お金を払えば何が手に入るか”
がわかるものなら説明は楽ですが、、、

目に見えないものはそうはいきません。

しかし、この”目に見えないもの”を上手く売り込み、
莫大なお金を動かしている業界があります。

それは、、、

寄付業界です。

目に見えないものを売る業界

寄付というのは、目に見えるものではありません。

1万円寄付をしたから、
○○がもらえるということはないですよね。

でも、日本中では大体5,000億円くらいの
お金が個人から寄付されているそうです。

つまり、それだけお金が動いている、
ということですね。

寄付を受ける団体は、たくさんのお金を
寄付してもらえないと運営ができません。

なので、、、

”どうやったらより多くのお金を寄付してもらえるか"

ということを真剣に考えています。

高いレベルのマーケティング

このような構造があるので、
必然的に寄付を促す活動のレベルは高くなります。

広告のレベルも高いですし、
ウェブマーケティングのレベルも高いです。

『寄付』で検索すれば、めちゃくちゃ広告がでてきますし、
リンク先のホームページにもかなり金かかってると思います。

(寄付してもらうのに金をドンドン
つぎ込むっていうのも変な気がしますが、、、)

何かの本で読んだのですが、アメリカでは寄付の
マーケティング担当は本当にトップレベルの人らしいです。

よくよく考えれば、見返りのないものにお金を払って
もらうのはものすっっっごい難しそうですもんね。

なので、この業界を見ていれば、

『どうやったら実物が見えないものを売り込めるのか』

のヒントが得られるはずです。

こんな広告を見た事ありませんか?

例えば、電車の中で、クリクリっとした
目のこどもがこちらを見た写真と一緒に、

『アフリカでは、何秒に1人の割合で
○○によってこどもが亡くなっています』

と書かれた広告を見た事はありませんか?

そして、こういった広告には、
多くの場合1人の子供が出てきます。

"アフリカのこどもが〜"と言いつつも、
出てくる登場人物は1人の場合が多いです。

思い浮かべてみると何となく、
そんな気がしません?

アフリカの子供が全員集合している写真ではなく、
1人にフォーカスされています。

さらによく出来た広告では、
こんな感じのものがあります。

『カンボジアに住んでいるラワンダちゃんは3歳の女の子です。
父を栄養失調で亡くし、母親は目が見えません。
ラワンダちゃんの病状は深刻でした。
体中にむくみがあり、肺炎を併発しているために衰弱し、
自力ではものを食べられない状態でした。
治療しなければ命を落としていたかもしれません。
月々○○円の寄付で、救える命があります。』

みたいなものです。

これは、かなり高い反応が出るようです。

効果的なアプローチの方法

この方法から学べることは、、、

『具体的な例に焦点を当てる』

というアプローチが効果的だということですね。

『アフリカの子供達が苦しんでいます』

というより、1人の子供に焦点を
当てた方が人の心は動くのです。

実際に、寄付額のデータを取ってみると複数の子供を
登場させるよりも1人の方が反応が良いらしいです・・・

抽象的<具体的

つまり、あなたがメッセージを発信する時も、

『みんなに向けた抽象的なメッセージよりも、
具体例に焦点を当てたメッセージの方が効果的』

だということです。

ここが得られる学びですね。

文章を書くときは、

『保険は一人一人によって最適なものが違うので、
しっかりと考えて入りましょう!』

という風に伝えるよりも、、、

『横浜市に住んでいて、子供が2人いる主婦の小林さんは、
保険をこのように見直すことで月々8,926円も保険料が下がりました』

という風に伝えた方が効果的に伝わるということです。

これは、知っておくべき事実だと思います。

・・・

今回は寄付業界の広告の作り方を1例に挙げましたが、
このような他業界に目を向けるのは勉強になるはずです。

P.S.
今回は寄付が悪いって話ではないですよ。。
あくまでマーケティングの話です。念の為。

石塚 駿平
株式会社FPライズ代表。独立FPに専門特化したコンサルティング、セミナー開催などを行っている。現在は依頼のほとんどを断っているが、相談料5万円の住宅相談をネットから月10名集客、開業コンサルティングを行なったFPが独立後15日で100万円以上の売上げを達成など、多くの成果を上げている。

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