ライフプランをエンタメ化?

執筆者:昆 知宏
    

最近、お客様との相談を終えたあとに、「役に立ちました」という感想だけでなく、「面白かったです」と言っていただくことが増えてきました。

もちろん、FPとして必要な情報をわかりやすく伝えることは大前提です。

住宅ローンや保険、家計のことなど、お客様が知りたい情報を整理し、判断できるようにお手伝いする。

それは仕事として当たり前のことだと思っています。

ただ、独立して10年が経ち、最近はそれだけではない部分も大切にするようになりました。

ライフプランは、単に将来のお金を計算する作業ではありません。

これからどんな暮らしをしたいのか、何を大切にして生きていくのか。

人生全体を考えるきっかけにもなります。

せっかく相談に来ていただいたのなら、知識を持ち帰ってもらうだけでなく、人生について考える時間そのものを楽しんでもらいたい。

そんな気持ちが、少しずつ強くなってきました。

面白さとわかりやすさの掛け合わせ

YouTubeなどの動画コンテンツを見ていても、情報が正確でわかりやすいことに加えて、面白さがあるものは人を惹きつけます。

私自身も、相談の中にそうした要素を自然と取り入れるようになってきたのかもしれません。

例えば、住宅購入の相談に来られた方に、必ずしも住宅購入を薦めるわけではありません。

むしろ、今は買わない方がいいとお伝えすることもあります。

家を買うために相談に来たのに、買わない方がいいと言われる。

お客様にとっては、想像していた話と違うかもしれません。

また、住宅業界の表向きの話だけでなく、実際に仕事をしているからこそわかる業界の事情や、少し踏み込んだ話をすることもあります。

家づくりを進める中で、勢いに乗って進んでいるエスカレーターが、本当に望んでいる場所に向かっているのか。

そんな問いかけをすることもあります。

もちろん、ただ驚かせたり、業界の裏話を披露したりすることが目的ではありません。

一般的なアドバイスとは少し違う視点を提供することで、お客様が立ち止まり、自分自身で考えるきっかけになればと思っています。

人生の少し先を歩いているからこそ

私自身、家づくりも子育ても経験してきました。お客様より少しだけ先に経験していることも多く、過去の自分では知らなかったことも実感を交えてお話しできるようになりました。

家を建てた後の暮らしや、子どもが成長していく中でのお金の使い方など、少し先の未来を想像してもらうために、自分の経験を話すこともあります。

そこに、少しのユーモアを加える。真面目な話ばかりではなく、時には笑いながら、時には少し耳の痛い話もする。そうしたやり取りを通じて、相談の時間そのものが印象に残るのかもしれません。

10年も仕事を続けていると、知識を伝えることに加えて、どんな言葉で伝えると相手に届くのか、どんな話をすると考えるきっかけになるのか、少しずつわかってきたように思います。

ライフプランを、もっと面白い時間に

ライフプランは、将来のお金の不安を解消するためのものです。

しかし、それだけでは少しもったいない気もしています。

自分たちがどんな人生を送りたいのかを考えたり、これまで気づかなかった選択肢を知ったり、時には自分の思い込みを見直したりする。そうした時間は、本来もっと面白くていいはずです。

だからといって、無理に笑わせたり、相談をエンタメ化したりする必要はありません。

大切なのは、専門家としての知識や誠実さを土台にしながら、お客様にとって興味深く、心に残る時間をつくることだと思います。

相談後に「面白かった」と言っていただけるのは、純粋に嬉しいことです。

役に立つのはもちろん、その時間を楽しんでもらい、家に帰ってからも何かを考えるきっかけになっていたら、FPとしてこれ以上のことはありません。

ライフプランは、お金の計算であると同時に、人生を考えるための時間です。

せっかくなら、その時間を少しでも面白いものにしていきたいと思っています。

昆知宏
新潟の住宅会社に営業として勤めた後、『特定の会社に属さずに、客観的な立場から住宅購入をサポートできるFPになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするFPとして、新潟でこれから家を買う方への相談を行っている。コンサルティングフィーは土地建物価格の1%と高額ながら、多くの顧客に支持されている。

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