つくばの自宅から
執筆者:石塚 駿平
先週、地銀に行ってある手続きをする機会がありました。
ただの事務手続きで大した用事ではないのですが、待ち時間の間、興味深い光景を目にしたのです。
僕が行ったのは小さな支店で、お客さんとの対話窓口が5つありました。
簡単な仕切りが設けられているだけで、特にプライバシーに配慮されている訳ではなく、オープンな感じです。
その相談窓口の一番奥に、70代くらいと見受けられる老夫婦がいました。
そして、相対しているのは20代後半くらいの若い行員2人組。
話が筒抜けなので全部会話の内容がわかってしまうのですが、どうやら資産運用の話をしているみたいです。
投資信託を勧める若い行員
様子を観察するに、老夫婦の方は全く投資の知識や経験はない様子。
その老夫婦に対して、若い行員が恐らく投資信託を勧めているみたいでした。
若い行員の2人組は、値動きがあるからそこは注意をする必要がありますよ、元本割れのリスクがありますよ、という説明をしているのですが、老夫婦はわかったようなわかっていないような反応です。
そんな中、行員はカントリーリスクの話をしていったり、チャートを提示しながら
「この時期は下がっていて、ここで売ると損をしてしまうけど、ここまで頑張って持ち続ければ利益が出るんです。だから、持ち続けるのが大事なんです。」
という話を続けていきます。
その話を聞いても、老夫婦の反応を見る限りよくわかっていない感じでした。
銀行が売りたい商品
そして、この部分はとても気になったので聞き耳を立ててしまったのですが、なんと信託報酬は1.903%、購入時の手数料が3.3%の商品のようです。
それを聞いた瞬間、
「あ、これは銀行が売りたい商品なんだな」
と思いました。
正直、投資のことがほとんどわかっていない老夫婦に、手数料の高い投資信託を案内するっていうのはどうなんだろう・・・?
と倫理観を疑わざるを得ません。
構造的な問題
ただ、これって構造的にすごい起こりやすいケースですよね。
情報がない高齢者は銀行というだけで信頼をしますし、他に相談できる場所を知りません。
銀行は、自分たちの利益の為に手数料を稼ぐことができる商品を売りたい。
こういう構図があることで、高齢者が手数料の高い投資信託などの商品を購入するというのは頻繁に起こっているのでしょう。
頭ではわかってはいたのですが、実際の自分で見聞きしてしまうと、なんだか悲しい気持ちになりますね。
FPならこの状況を変えられる
こういった現状を変えるには、やはりあなたのようなFPがもっと力を持つべきだと感じます。
資産運用のやり方というのは、
『最初に誰に教えてもらうのか?』
で決まってしまう側面はありますよね。
最初に会ったのが利益目的の営業マンや銀行の場合は搾取されてしまう一方、正しい知識を持ったFPに出会うことができれば、将来を豊かにする道が拓けます。
そう考えると、やはりFPがお客さんとの接点を持つ力を増やす、つまりマーケティング力を上げるということが大事になってくると思います。
マーケティング能力を底上げするスキル
じゃあ、マーケティング力を上げるにはどうするのか?
という話ですが・・・
一言でマーケティングと言っても、ホームページやら広告やらSNSやらセミナーやらなんやらで、範囲が広すぎて全部勉強して実行するのは現実的ではありません。
ただ、1つ確実に言えることは、
『目の前にいる人にFPの価値を伝え、お客さんになってもらうスキル』
を磨くことができれば、マーケティング能力はすべて底上げできるということです。
それができれば、SNSでもセミナーでもホームページでも広告でも、何でも応用が効きます。
なぜなら、この能力がマーケティングの根幹だからです。
だから、もし自分が何をすればいいのかわからない場合は、ぜひこのスキルを伸ばすことに注力してみてください。
このスキルを身につけるだけでもFPビジネスは軌道に乗せることも十分にできますしね。
そうやってマーケティング力を高めていけば、金融機関や営業マンにカモにされずに、正しい資産運用を実践できる人が増えるはずです。
それが日本の発展にも繋がっていくはずなので、ぜひ一緒に頑張っていきましょう。
P.S.
『目の前にいる人にFPの価値を伝え、お客さんになってもらうスキル』
を高めて成功しているFPのノウハウを、明日の夜に公開予定です。
詳しくはこちらの動画でお話をしているので、興味があればぜひ見てみてください。
https://fprise.com/hosokawa_interview/