勇気ある撤退

昆知宏

競争が激化する住宅ローン市場。

傍から見ている私たちも、
そんなに無理して大丈夫!?

と思ってしまうくらい
銀行間の金利競争が加熱しています。

「あそこが下がるならうちもだ!」

「向こうが下げる前にうちが下げて、
案件を一気に取りに行きましょう!」

「来月向こうの金利はどうなるんだ?」

などなど銀行間の駆け引きが繰り広げられています。

こんなふうに金利の引き下げ競争が
繰り広げられる中、

新潟のある金融機関が思いもよらない
方針を出しました。

金利引き下げやめます

今までは他の金融機関と比較した時に
金利を引き下げることにより
実質的に横並びでいた住宅ローン金利。

しかしその引き下げを廃止し、
事実上の金利引き上げとなりました。

これはどういうことかというと、
これから家を買おうと思っている人が

住宅ローンを比較検討したときに、
他よりも頭ひとつ金利が高くなったということを意味します。

つまりちょっと調べた人からは、
ほぼ選ばれないだろうという状態
になったということです。

他と特に比較しないで決めるお得意様
以外は住宅ローンを借りてくれなくても結構ですともとれます。

「他と比較検討して
とにかく安いところから借りたい」

という薄利のお客さんはもう追いません。

事実上の住宅ローン競争からの撤退です。

これを聞いてあなたはどう思いますか?

「薄利でも個人のお客さんは、
大事なのではないか。

個人を失うリスクは大丈夫なのか?」

「利益が取れない競争に参加するのは
将来的に経営を圧迫する。

マイナス金利による過剰な金利競争が
落ち着くまでは無理に競争に参加せず静観だ。」

いろんな意見があると思います。

不安でいっぱいになる人。

一方では経営陣の判断を歓迎する人。

両方がいるみたいです。

傍から見ている私は、
真っ先に後者の方が思い浮かびました。

大胆な経営判断だけど賢いなあって。

“できません”という勇気

今回のこの判断。

従来であれば他となんとなく一緒で
なんとなく流れにのってしまっていくところです。

今だったら他と金利を合わせて、

体力を削りながら終わりのない

戦いを繰り返していく。

こんな感じでしょう。

「他とは金利は合わせません」

と明確に示し、競争からの脱却を図りました。

これには参考にできるところがあります。

私も今年に入ってから、
打ち出すメッセージで
大きく変えたことがあります。

私は住宅購入相談がメインの
FPなのですが、

今までは

「住宅購入以外の相談ももちろん大歓迎です!」

というふうにやっていましたが、

「住宅購入以外の相談は行っていません。

住宅以外のお金のことで、
お困りでしたら他の専門家を、
あたったほうが良いと思います。

そのかわり住宅購入相談分野には自信があります。」

的なメッセージに変えました。

集客数が減ることを覚悟で、
住宅以外は“できません”というように
変えたのです。

濃い顧客が増えた

自分の立場を明確化することにより、
本当に来てほしいお客さん像をアピール。

それ以外のお客さんには対応しません
という行為は売り上げを減らしがち
だと思われますが、そうではありません。

それはお客さんから見た場合、

行っているサービスがむしろ
明確化となりそのテーマで

困っていた場合は
自分の悩みを解決してくれる人は

”この人しかいない!”

と思ってもらえるからです。

私ができることと、
お客さんが求めていることが

一致している顧客しか来なくなれば
お互いに時間を無駄にせずに済みます。

その結果”何でもできます!”

アピールをしていたときよりも、

自分の時間が増えて、
いろんな活動ができるようになりました。

“できることアピール”

はもちろん大事ですが、

“できないことアピール”

をすることに実は経営効率化の
大きなヒントがあるのかもしれません。

あなたも自信が最も得意とすることと
最も出会いたい顧客像に合わせて

“できません”アピールを取り入れて
みてはいかがでしょうか?

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この記事を書いた人

昆知宏

新潟の住宅会社に営業として勤めた後、『特定の会社に属さずに、客観的な立場から住宅購入をサポートできるFPになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするFPとして、新潟でこれから家を買う方への相談を行っている。コンサルティングフィーは土地建物価格の1%と高額ながら、多くの顧客に支持されている。

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