つくばのスタバより
執筆者:石塚駿平
この前、東京で電車に乗った時に広告を見て知ったのですが、
『HOME’S 住まいの窓口』
という住宅会社紹介サービスがあるんですね。
スーモカウンターだけだと思っていましたが、ライバルのライフルホームズも同じことをやっているようです。
ちょっと調べてみたら、ホームズの方は10都道府県に68店舗、スーモカウンターは43都道府県に200店舗以上あるみたいですね。
注文住宅の紹介ビジネスは、在庫無しで紹介料の3%〜5%もらえるのでビジネス的にはおいしいのでしょう。
ただ、あなたもご存知の通り紹介料で成り立っているということは成約ありきのビジネスモデルであり、紹介料を多く払ってくれる会社へ紹介が偏ったり、契約を急かしたりなどはあるので中立的なアドバイスができるとは言い難いです。
住宅の建築費用が高騰していたり、情報が溢れている今は需要が高まっているのかもしれませんが、こういったビジネスは将来的にどうなるんでしょうね。
伸び悩む保険ショップ
同じようなビジネスモデルで隆盛を極めたほけんの窓口も、近年では業績の伸びに陰りが出ているようです。
これには様々な要因があると思いますが、情報が広がることで他の選択をする人が増えたというのも1つだと見て間違いないでしょう。
無料というとお得な感じがしてみんな飛びつきますが、そういったサービスが徐々に世の中に浸透してくると、それに関する情報が増えて
『本当にこの無料のサービスは自分の為になるのか?』
ということを検討し始めるようになります。その結果、別の選択肢の方が良いというのであればそっちの方に人が移っていくのは自然な流れです。
大枠で見たときの世の中の流れ
基本的にはこういった流れは自然に起こるものですが、大きな事件をきっかけに法律が変わったり、政府が介入して事情が一気に変わる時もあります。
例えば、イギリスでは2013年に金融商品を売って紹介料をもらうことが禁止され、そこから一気にファイナンシャルアドバイザーの収入源の約8割がフィーによるものに変化しています。
手数料中心だったビジネスが、突然フィー中心のビジネスに変わったのです。
ここまで劇的な変化が日本で起こるかどうかは疑問ですが、構造的に顧客の為にならないものというのは早かれ遅かれ是正されるという力が働くのは間違いありません。
FPに求められるもの
保険については既に業法が変わったりして実感が伴うかと思いますが、住宅紹介のサービスはどうなんでしょうね?
大手がやっているということもあり、まだそんな兆候は感じませんが将来どこかの時点で何かしらの変化が出てくるかもしれません。
そうなった時に、FPとして求められるのは何かというのを考えると、僕は個人的には
『常に一歩先を行く』
ということが大事なのではないかと感じます。
常に一歩先を行けばFPビジネスは加速する
例えば、住宅紹介のビジネスで言えば、FPが取るべき立場としては
『世にある住宅紹介ビジネスというのは、紹介料をもらうビジネスモデルになっていて、本当に中立な立場になっているというのは言い難いのが現状です。
私は顧客から直接フィーをもらう形にすることで、相談者の立場に立ったアドバイスができるようにしています。もしかしたらそっちの方が高いと思われるかもしれませんが、最終的には一番安心して家を買うことができる選択肢なんですよ。』
ということが言えるようにするべきだと思います。
そうすれば、最終的に選ばれる先になることが可能です。(ただ、もちろん、自分が持っている価値をしっかりと伝えることができるというのが前提ですが)
また、保険の相談窓口に行った後に「このアドバイスって本当に信頼できるの?」と疑問に思ってFPに相談をする人が増えてきた時に、すぐに信頼されるポジションに立つことができます。
既にこういったケースは散見されますが、住宅紹介のビジネスが増えていったらそういった経緯で相談に来る人も増えていくはずです。
『常に一歩先を行く』
ということを意識していけば、そういった人を取り組むことができますし、住宅紹介のようなビジネスが今後勢いを増してくれば、相談件数も自ずと増えていくはずです。
そうやって上手く自分でない誰かの力を上手く使えるようになると、FPビジネスを軌道に乗せるスピードも早くなるかもしれません。