偏見とマーケティング

昆知宏

「プリウス乗りはお客さんに
ならないんだよねぇ。

車を見た瞬間にガックリ
きてしまうんだよ。」

これを受けて私、

「ああ、分かります。
もう価値観が違うから、

それはお客さんには
ならないでしょうねぇ。」

これ何の会話かというと、
設計事務所を経営する方と
懇親会で話した内容です。

お客さんが乗っている車を
見るとその人の価値観が
透けて見えてきます。

単なる先入観や偏見と言って
しまえばそれまでですが、

冷静に分析をしていくと、
プリウス乗りは一度も
受注に繋がっていないようです。

なぜでしょうか?

あなたもこの理由をちょっと、
考えてみてください。

巧みなマーケティングの末

自動車業界は経済をけん引する
産業のひとつのため、

大手広告会社が代理店となり
マーケティングやイメージ戦略が
精巧に作り込まれています。

そのため、

その人が乗っている車を見れば、
企業が行ったどのマーケティングに

乗っかった人なのかというのが
透けてみてきます。

例えばプリウスの場合は、

日本を代表するトヨタという
圧倒的なブランドです。

そしてプリウスという車は、
デザインよりも圧倒的なコスパ
低燃費というのが売りであり、

同じトヨタのアクアよりも
ややラグジュアリー感があります。

つまりデザインよりも燃費。
だからといって安っぽいのは、嫌。
安心安全のブランドも大事。

というのがプリウスを選ばれる方の
大きな理由になっているように
思います。

つまり家において、

マイノリティを重視する設計事務所に
というものを対して

マイノリティよりも量産型の方に
重きを置く方とは価値観の
相違が生まれ成約にならないのです。

大手住宅会社はターゲットを分けている

大手住宅会社がコンサル会社と
作成している資料を見ると、

乗っている車によって
売れやすい家の商品群を
分類していることがあります。

例えば、

セレナのようなミニバン+軽自動車の
家庭にはスタンダードモデルから
提案することが有効だし、

アウディに乗っているような余裕層には
このモデルから提案していこう。

セレナではなくてアルファードに乗って
いる層にはコレみたいに

分類わけがされています。

高額な買い物である車と
家に対しての価値観は確かに
似たようなところがあります。

これを偏見ととるか、
マーケティング戦略ととるかは
各々ですが

私は十分に相関性があると
見ています。

FPが契約になりやすい車

この話になった時、
私の場合はどうだろうと思ったら、
面白いことがわかりました。

『シエンタ(トヨタ)・フリード(ホンダ)』

の2強だったのです。

地方に住んでいて家族がいる方は
分かると思いますが、

ミニバンは便利だけど高すぎて
でも普通車だと狭すぎる。

この中間のちょうどいいサイズの
2車種は価格も手ごろなのです。

コスパや合理性を重視する顧客
は私のビジネスとは相性が
良いようです。

キーワードは、

『便利・お得・らくらく!』

つまりトヨタやホンダがこの
2車種に対して行っている

マーケティングを考察することで
FPビジネス(私の場合)にも
使えるヒントがあるはずなのです。

あなたのお客さんで乗っている車が
偏っているなあと思うことがあれば

ぜひその車のマーケティング戦略を
考察してみてください。

きっと、いい結果になります。

昆知宏
新潟の住宅会社に営業として勤めた後、『特定の会社に属さずに、客観的な立場から住宅購入をサポートできるFPになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするFPとして、新潟でこれから家を買う方への相談を行っている。コンサルティングフィーは土地建物価格の1%と高額ながら、多くの顧客に支持されている。

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