ゆとりを犠牲にした豊かさ

昆知宏

1989年に発刊された本を読みました。

今から27 年前です。

そのタイトルは、
「豊かさとはなにか」。

私は小学生だった時なので、
この時の経済感覚は

良く分からないのですが、
日本は超好景気だったようです。

バブル経済に浮かれていて、
収入は右肩上がり
欲しいものは何でも手に入る。

でも満たされない時代。

この本を読んでいくと面白いのは、
この超好景気時代は、

一般のサラリーマンは
住宅を所有することは
かなり困難だったようです。

具体的には、

“年収が800 万円あっても

家が買えない“

という記述もありました。

収入が高くても、
土地の価格も高いから買えないし、

返しても返しても減らない
高利息な住宅ローンと
いったところなのでしょう。

面白いのは

このときの女性誌の特集で、
主婦が思う豊かさとは?

いうアンケートに、

“平均的なサラリーマンにも
マイホームが持てる“

というのがあったことです。

この本が出版されてから27 年後、
その願望は実現したのですが・・・

成熟した日本

27年前に比べれば、
株価も低いし経済成長率も

大きく低下した日本ですが、
27年前に一般市民が望んでいた

誰でも住宅を持てる時代という
テーマは実現しています。

私は住宅購入相談を専門とする
FPとして仕事をしていますが、

このご時世、

“家を買えない人”の方が圧倒的に

少数派となっています。

無理なく返済できるかという
話を一旦置いておけば、

年収が300 万円台でも
よっぽどひどい延滞がない限り、

住宅ローンは2,500 万円くらい
全然借りられるし

郊外に土地まで買って、
家を建てることができる。

27年前の人たちから見たら、
信じられない未来かもしれません。

住宅のファスト化

「あ、ちょっとお腹がすいたー」

と言って国道沿いの

『すきや』『マクドナルド』『幸楽苑』

へ入るのと同じ感じで、

最近の住宅はリーズナブルに
あっという間に買えてしまいます。

建売住宅なんかだと、
その場で決断すれば一瞬ですし、

規格住宅などでも打ち合わせは
3~ 4 回で終えてしまうところもあります。

下手すりゃそれで今の家賃より
安いときたらそりゃ売れますよね。

住宅を購入する人たちの
半分以上が、

このようなファスト住宅を
購入し住まうようになっている日本。

しかし、FPであるあなたは
お察しの通りその裏には
とんでもない事実があります。

相談者の50 %は赤字家計

住宅ローンを、“借りられる”
パーセンテージで言うとそれは
90%以上に上ります。

しかし、
ライフプランニングをしっかり
作って相談者の希望する
不動産を取得した場合、

50%以上の相談者が赤字家計と
なってしまいます。

最近これを見るたびに、
次なる社会問題は完全にここに
存在するのでは?

と思います。

中古不動産の流通業界では
住宅ローンの金利上昇とともに

良質な中古住宅が市場に
流れてくるためその時が

絶好の商機になると
睨んでいるところもあります。

一方でシェアを取りまくっている
ローコスト住宅市場は、

住宅ローンの金利が上昇すると
購入できる層が格段に減り

壊滅的な影響を受けるとも
言われています。

これは単純な話、

本来は住宅を買うべきでは
なかった層が、

本来の姿へ戻るだけなのです。

初回面談時のどういう話をする?

さて、
長々と固い話をしてきました。

これだけではただのコラムに
なってしまいます。

ぜひこの事実を
あなたのマーケティングに
おけるヒントにしてください。

住宅がファスト化し破たん予備軍を
量産しているという社会的事実。

一方でそれを阻止しようとしている
我々のようなFP。

こういう構図を相談者にも
理解してもらうことで、

あなたが相談者に
何を提供できるのかが明確になります。

この場合は、

現在の住宅購入市場は異常であり、
多くの破たん予備軍を生み出している。

しかしあなたはそれらをしっかり
考えることによって、

そのような未来を避けることが
できます。

そして私がそのお手伝いをする
ことができます。

という流れです。

人間は苦痛と快楽が明確であるほど
それらを回避、享受するための
行動力が増します。

この力は集客やクロージングに
おける強力なエンジンとなるのです。

ダラダラと世間話をするのではなく
相談者の苦痛の回避に対して

あなたがどういうことができるかに
焦点を絞ればきっと次回以降の
相談に繋がるでしょう。

あまりにもエネルギーがあるため
悪用は絶対禁止です。

FPライズメルマガ登録

この記事を書いた人

昆知宏

新潟の住宅会社に営業として勤めた後、『特定の会社に属さずに、客観的な立場から住宅購入をサポートできるFPになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするFPとして、新潟でこれから家を買う方への相談を行っている。コンサルティングフィーは土地建物価格の1%と高額ながら、多くの顧客に支持されている。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新の情報をお届けします