セミナー参加者の1/4は“〇〇”である事実をどう生かす?

執筆者:昆 知宏

過去に行ったセミナーの参加者名簿。

PCのデータを整理するときにたまたま眺めていると、「え?」と思うことがありました。

特に今から5年以上前に行ったセミナーのリストを見ると、興味深いものです。

その中から個別申込に行って、かつコンサルティング契約まで行った方の名前は当然ながら今でも覚えているのですが、それ以外にもよく見ると知っている人がちらほら。

ああ、なるほど。

そういうことだったのね。

リストを見て急につながったこと。

これはセミナーを行う時にも最初から意識しているといないとでは結果は変わってくるなあと思ったのです。

参加者の1/4は業界関係者

リストの名前なのですが、住宅会社の社長や営業さんの名前が結構まじっていたのです。

私の場合は住宅FPをしていて、通常はこれから家を建てようと思っている人が対象のセミナーです。

そのため、参加者はエンドユーザー前提でお話ししますし、ほとんどがそうだと思って実際講演していました。

でもリストを見返すと、「あれ?この人、あそこの社長じゃん。」「この人、あの住宅会社の営業じゃん。」ということが今だと分かる人が結構いたのです。

それ以外でも私が把握していない人の中にもそういった人は結構いると思われ、エンドのフリをしてセミナーにまじって参加してくる人は多いことが分かります。

私の感覚だと20~30%くらいがエンドユーザーには当初からなりえない人が混じっているそんな感じです。

同業者の参加についてあなたはどう思う?

個人的には同業者(FP)が同業のセミナーに断りなく参加するのはNGだと思っています。

参加したいのならはじめに参加確認をすべきだし、断られたらすんなりと受け入れるべきです。

(当然ですよね)

エンド向けのセミナーは会場設営費や広告費・スタッフ人件費がかかっていますから、同業の方にご参加いただくのはちょっと否定的です。(目的が違いますし、ノウハウをなぜかこっちがお金を払って教えているに等しい環境を提供するのはちょっと違うと思っています)

なので偵察とか勉強目的で身分を隠してセミナーに参加するのは、やめたほうがいいと思う派です。あなたはどうですか?

話を戻しますと、では住宅会社の社長や営業マンというのは...同業?

住宅会社の立場からお客様にFPのアドバイスをするときに独立FP何を話すのか盗もうとしているという目的での参加であれば嫌ですよね。

でも今だから分かったのですが、住宅会社の関係者の参加はアリかと思います。

協業できる可能性が高いから

これは私が今住宅FPとしていろんな住宅屋さんとつながっていたり、または自分自身が過去に企業系住宅FPとして働いているから分かるのですが、結局社内FP(住宅会社の社員が顧客にFPサービスを提供すること)には限界があります。

お客さんも賢いので、優良な顧客であるほど独立系FPの方に意見を求めます。

そういうお客さんを自社FPで丸め込もうとしても逆効果であることは明白で、その時にもしセミナーに参加していたら「そうだ!その講師のFPに依頼しよう」と思うみたいです。

そんなこんなで長く活動していればこっちが営業しなくても、住宅会社側からお声がかかるときがあるのですが、たいていどこかのセミナーの実は参加者だったりするのです。

そういう意味で対面セミナーというのは、エンドユーザーを獲得する機会であると同時に、実は長い目でみれば法人営業も兼ねているということが分かります。

これはオンラインセミナーにしても同じことが言えます。

セミナーを使ってどう広げていくか。

実はあなたの意図しているように機能していないこともあれば、思わぬ方向に機能していることもある。

独立したての方は特に名簿の中に業者も混じっていることを、プラスに転換していくと結果がでるのがもっと早くなるかもしれません。

昆知宏
新潟の住宅会社に営業として勤めた後、『特定の会社に属さずに、客観的な立場から住宅購入をサポートできるFPになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするFPとして、新潟でこれから家を買う方への相談を行っている。コンサルティングフィーは土地建物価格の1%と高額ながら、多くの顧客に支持されている。

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