つくばの自宅より
執筆者：石塚 駿平

　　　　　　　　　

やる前に自分が起こると思っていたことは、実際にやってみると起こらない。

そんなことは、よくあります。

例えば、FPとして独立する前は

「お客さんから答えにくい質問が来たらどうしよう・・・」

と思うものですが、実際に相談をしてみると来る相談は思っていたものと違くて、

「え、そんなことを疑問に思っていたんだ！」

と思うような初歩的な質問が多かったりします。

僕も同じで、FPライズを立ち上げた時には複雑なマーケティングの質問が出てくると思い、ビクビクしていたのですが実際にやってみるとそんなことはなく、初歩的な質問が多くて拍子抜けしたことを覚えています。

これと同じ感じで、多くのFPが思っていることについて今回はお話をしたいと思います。

どんなことかと言うと、

『お金をもらって顧問契約を結ぶのであれば、満足してもらえるようにたくさんのことをやらなくてはいけない』

という考えについてです。

全く逆の事実が判明

これから顧問契約を始めるFPのほとんどは、この考えを持っていると思います。

「それなりのお金をもらうんだから、それ相応の価値を提供しなきゃいけない」

と考えるのは当然と言えば当然ですよね。

不安になる気持ちもわかります。

しかし、この考えに対して1つの指針を示す面白い事実を最近発見しました。

とあるアメリカの有名マーケターが言っていたことなのですが、どんな事実かと言うと、

『人々がサブスクリプションのサービスを解約する一番の理由は、コンテンツが多すぎることだ』

ということです。

多すぎるという理由で顧客が離れている

FPの顧問契約というのも、広義的に捉えるとサブスクリプションサービスなので、同じことが当てはまる可能性は十分にあります。

多くの人が、顧客を満足させる為にはたくさんのものを提供しないと考えているのですが、実際に調査をした結果は全くの逆。

足りないのではなく、多すぎるという理由で顧客が離れてしまっているのです。

この事実、非常に面白いと思いませんか？

実際に、僕もビジネス系の会員サービスを利用することは多いのですが、確かにコンテンツを消化しきれなくて「もういいや」と思うことはあるように感じます。

逆に、月1万円で1回20ページくらいの小冊子が送られてくるサービスを以前利用していたのですが、それくらいだとちょうど良い感じがしていました。

ただ、それでも何ヶ月か読まずに溜まっていくことはありましたが・・・

短い時間で成果が得られる方が嬉しい

この事実を伝えてくれたマーケターは、

『多くの人が、価値を出そうと大量のコンテンツを提供するが、それだと顧客を洪水に巻き込んで溺れさせるようなものだ。しっかりと消化できる一口サイズのコンテンツを提供する方が重要なのだ』

ということを言っていました。

特に、色々な情報で溢れており、やることがたくさんあって忙しい現代社会においては、これは非常に重要なポイントなのでしょう。

よくよく考えてみれば、同じ成果が得られるのであればたくさん時間をかけるよりも、短い時間で成果が得られる方が嬉しいですよね。

目の前にやるべきことが積み上がっているのを見ると、圧倒されてやる気がなくなってしまいます。

だから、『FPの顧問契約で価値を正当化するには、一気にたくさんのものを提供しないといけない』という考えは間違いである可能性が高いのです。

よくある勘違いをなくそう

これは、

『やる前に自分が起こると思っていたことは、実際にやってみると起こらない。』

ということの典型例になりそうですね。

最初は『もっとたくさん、色々なものを』と考えるけど、実際にやってみると『もっと少なく、的確なものを』という方向が正しいとわかる、という構図になっています。

ただ、誤解のないようにお伝えしておくと、取り組む内容自体が多いことは問題ありません。

一気にいろんなものを与えるのではなく、その時その時で無理なく消化できる内容にすることが重要になります。

始める前に頭でっかちになってしまうとだんだん行動ができなくなってしまうので、こういったことを頭に入れながら行動を起こしてみる。

そして、実際に起こったことを元に改善をしていくというのが、結果の出やすい方法だと思います。

今回お話をしたことは、よくある勘違いなのでぜひこの考え方を頭にインストールして行動をしてみてください。

そうすれば、無駄な時間や労力を費やさずに良い結果を出すことができる可能性が大きく高まるはずです。