つくばの自宅より
執筆者:石塚駿平
「AIを使うとバカになる」
あなたは、こんなことを聞いたことはありませんか?
もしくは、
「AIを使っていたら、頭を使わないから自分がバカになりそう」
と実感して危機感を覚えたことは?
僕は、両方ともあります。
この話題というのは、「テレビを見るとバカになる」「スマホを使うとバカになる」「SNSを使うとバカになる」みたいに長く話題になりそうなのでちょっとこの話をしてみようと思います。
本当にバカになる?
まず、AIを使うと本当にバカになるのか?
という話ですが、個人的には
「使いようによっては確実にバカになる」
と思います。
AIに考えることをやらせると、自分は考えなくて済むようになりますよね。
そうなると、使わない筋肉が衰えるようにその部分の脳も衰えていって、しっかりと考えることができなくなってしまう、ということは起きると思います。
昔、社員をダメにしてしまった話
この現象について、ちょっと昔話をさせてください。
僕は大学を出てから1年と3ヶ月くらい会社員だった時代がありました。
小規模のベンチャーなので、入社3ヶ月で部下ができるという感じだったのですが、当時の僕はネット広告の部門を担当していました。
その時は業務のやり方は全くマニュアル化されておらず、自分で学んで実行するというスタイルです。
しかし、それだと業務が効率的に回らないと思った僕は、ネット広告の業務マニュアルを整備しました。
「この通りにやれば、仕事が完ぺきにできる」
というものです。
そのマニュアルを作ったおかげで、自分が教えなくても部下が業務をこなせるようになりました。
しかし、良いことばかりではなかったのです・・・
「マニュアルないんですか?」
ある時、その部下に別のネット広告の案件が回ってきました。
マニュアルが使えない案件ですが、マニュアルの内容を理解して応用すればこなすことができるレベルのものでした。
なので、そこまで問題はないと思っていたのですが、部下は僕をこう言うのです。
「これ、マニュアルないんですか?」
と。
この言葉を聞いた時、
「あれ、もしかして僕はマニュアルがないと仕事ができない人間を生み出してしまったんじゃないか?」
と感じたのです。
AIも思考力を奪う
マニュアルがあると、自分で考えることを放棄してしまいます。
その結果、応用力が育たない。
これと同じ事が、AIを使うと起きてしまうと思います。
自律的な思考力を奪われてしまったら、立派なバカの完成です。
ちなみに、学校教育でのAIの研究データも最近は出てきているようですね。
AIを使ってズルする形で宿題を終わらせる生徒のグループは、軒並み成績が下がったそうです。
しかし、AIを"答えを知るためにズルするツール"ではなく、"わからないことを理解するための補助"として使った生徒のグループは、AIを使わない生徒のグループと同じくらいの成績だったようです。
(個人的には、補助として使ったグループは成績上がると思ったのですがそんなことはないようです)
要は、使いようということですね。
このAIの使い方は頭を使う
僕が実際にAIを使っていて思うのは、確かにAIを使うことで脳を使わなくなり能力が落ちると感じることがあるのですが、
「AIを使って何ができるのか?」
という組み立てを考える時は、しっかりと脳を使っている感覚があります。
これは個人的な感覚ですが、AIに仕事を代替させるだけの場合はバカになる感じがします。
しかし、AIを使った新たな価値提供の形を考えたり、こんなサービス作れないかな?と考えている時は、しっかりと思考力を使っている実感があります。
AIバカの壁
そして、恐らくここがAIを使ってバカになる人と、そうではない人の分かれ目になるのでしょう。
AIバカの壁、と言ってもいいかもしれません。
AIを使って自分の仕事をAIに代わりにやってもらい、自分の思考力が落ちるだけの人というのは、ゆくゆくは
「AIで代替しても問題ない人」
という存在になっていくのだと思います。
その一方で、AIを活用して新しいビジネス機会を生み出したり、新たな価値を創造できる人が活躍する。
その2極化が、今後かなりのスピードで進んでいくのは間違いないでしょう。
人は楽な方に流される生き物ですから、AIに頼って自分の思考ができない人は増えるでしょうね・・・
実際にそういう人は増えていますし、教育の在り方を根本的に考えないといけないレベルの危機的な変化だと感じます。
私たちはそうならないように、創造的にAIを活用できるようにしたいですね。
AIを使って
「あれ、なんか自分がバカになってる気がする・・・」
と感じたら、ぜひ今回の話を思い出してみて下さい。