ありがとう、罵声

昆知宏

「目印はドラム缶だ、
さあ、ガンガン行ってこい。」

今から数年前のことです。

走行距離20 万kmを超えて、
FMラジオもパワステもない
エアコンも効かない、

ボロボロのマニュアル駆動の
営業車を運転しながら、

金属加工をしている町工場へ
工業用ドリルの飛び込み営業を
していました。

金属加工をしている工場は、
入口の前にスクラップを
出すのが通例で、

ドラム缶に金属の屑が
山盛りになっています。

工業団地を歩きながら、
ドラム缶があれば飛び込み
とにかく営業をかける。

・・・

ご想像の通り、商品はほとんど
売れません。

たいていは門前払いで、
1/5程度は話だけは聞いてもらえます。

運よく話を聞いてもらったとしても。
市場はウルトラレッドオーシャン。

同業他社も山ほどおり、
ライバルは付き合いも長い。

一番単純な価格だけでひっくり
返してやろうと思っても、

私みたいな新人が動いている情報は
同業他社の幹部に知れ渡り、
即時芽を摘まれる。

50~60代経営者の方々とは
ペーペーな自分は何を話して
いいかも分からない。

忙しい相手に世間話も通用しない。

結局、

「結構です。もう来ないでください。」
と言われればまだいい方で、

「忙しいんだよ!二度と来るな!」
となってしまうわけです。

とここまでのこの話、
よく考えれば当たり前のことですよね。

悪い典型例が山盛りなわけです。

あなたは変われる、簡単に

それが今はどうでしょうか。

業種こそ違いますが、
50~60代の建築業の経営者の方々
から依頼が来るようになりました。

「忙しいんだよ!
二度とくるんじゃねぇ!」

から

「先生、講演をお願いしたいのですが、
○○日のご都合いかがでしょうか?
あ、すみませんお忙しいですよね。」

ですもん。

昔を思い出すと思わず、

「なんなんだ、この差は!」

と思ってしまいます。

私自身の人格なんて、
当時と全く変わってなく

たいして立派な人間でもなんでも
ない普通の人間なのですが、

同じ人間でも、

お客さんからどう見えているか、
お客さんからどう見られているか、

これを意識するだけで、
冒頭のような本当に天と地の差
となるわけです。

これがマーケティング

要するに、
あなたがどう見られているか、

これがビジネスの基本であり、
マーケティングの本質になります。

罵声を浴びせられる立場から、
向こうから依頼をされるように
なったのはなぜでしょうか?

それは、相手が必要とする事を
提供できる自分にポジションを
変えただけにすぎません。

そして分かりやすいメッセージを
頑なにマーケットに発信し続けた。

これだけなのです。

今回の講演依頼も、
WEB検索で見つけて頂き
(ニーズ合致)

メルマガを登録して、
人柄や考え方に共感できた
と言ってもらえました。
(メッセージ合致)

私は町工場で怒鳴り散らされて
本当に悔しかった。

寂しかった。
悲しかった。
情けなかった。

しかし早い時期にこういう
体験をしたから、

心から欲しくなるサービス、
断れることのない仕組み
競合他社がいない環境

を四六時中考えることで、
罵声を浴びせられていた

立場の年齢層の方々から
ある意味“逆飛び込み営業”を
かけられるようになりました。

次はあなたの順番

あなたの今までの経歴は、
関係ありません。

あなたが誰でもあっても、
関係ありません。

あなたの市場で有名な
FPがいようが関係ありません。

あなたという自分自身を
市場に合わせて魅力ある人間に
演じて見せることで、

ビジネスは大きく加速していくわけです。

最後にもう一度。

あなたはどう見られているか?

あなたはメッセージを発信し続けているか?

自分を客観視してみることで、

お客さんが
「サービスを依頼したい!」と
思える自分自身でいるか?

を確かめてみてください。

その時点であなたではなく、
他のFPが思い浮かんでいる

ようではあなたがお客さんから
選ばれることはありません。

さあ、全力でいきましょう。

昆知宏
新潟の住宅会社に営業として勤めた後、『特定の会社に属さずに、客観的な立場から住宅購入をサポートできるFPになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするFPとして、新潟でこれから家を買う方への相談を行っている。コンサルティングフィーは土地建物価格の1%と高額ながら、多くの顧客に支持されている。

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