保険会社はよくテレビCMをやっていますよね。
テレビCMはイメージ先行になるので、個人的には
それだけで判断する人が増えるのは良くないとは思いますが・・・
マーケティング的な目線で”メッセージの作り方”を
見てみると、参考になる所は多々あります。
最近見るもので特に「上手い」と思うのは、
アフラックのCMですね。
白いアヒルと黒いアヒルが出てくるやつです。
最近、特にテレビを付けているとかなりの
頻度で目にする気がします。
ちょっと『その保険がいいのか悪いのか』
という目線は一旦置いておいて・・・
どのようなメッセージの作り方をしているのかを
マーケティング目線で見てみましょう。
お決まりのシナリオ
このCMのシナリオは、
簡単に言うとこんな感じですよね。
・医療保険を検討する子育て世代の
登場人物が出てきて、どうしようか悩む
・黒いアヒルが出てきて、
「医療保険は必要ない」と言う
・それに反論するように白いアヒルが
出てきて、医療保険の商品の紹介が入る
毎回、こういう流れになっていて、
それぞれシチュエーションを変えながらCMが流れます。
"悪V.S.正義"の構図
これを見た人は、
『"医療保険は必要ない"という考えは悪いものだ』
という風に思うようになります。
そして、医療保険に対してポジティブな
考えを持つようになるでしょう。
このCMでは、黒いアヒルが明らかに”敵役”になり、
白いアヒルが”正義の味方”になるように描かれています。
人は小さいころから、悪V.S.正義
というストーリーに慣れ親しんでいます。
昔話、ドラマ、ヒーローもの、映画などなど・・・
悪V.S.正義のストーリーを挙げるとキリがないですよね。
そして、人気があります。
なぜなら理解しやすいからです。
効率的なメッセージの伝え方
この人が理解しやすい構造を利用することで、アフラックは
自社のメッセージを効率的に伝える事に成功しているはずです。
まずは、『正義』と『悪』を象徴する
具体的なキャラクターを作り・・・
悪役には人々に受け入れて欲しくない前提条件
(この場合は”医療保険に入らない”こと)を主張させます。
そして正義役に、その主張を打ち破らせるのです。
そうすれば、それを見た人は悪役の主張はダメで、
正義役の主張が正しいと盲目的に信じるようになります。
こうなれば、保険を売る時にわざわざ
医療保険の必要性を説く必要はありません。
スムーズに話を進めることができます。
そういった意味で、このメッセージが一般の人に
浸透するのはアフラックにとってはとても有利ですよね。
保険のことに詳しいあなたなら
このようなイメージ戦略には左右されないと思います。
しかし、一般の人は違います。
簡単にこのようなイメージ戦略にはまります。
これは、きっとあなたも実感していることだと思います。
あなたにとっての"黒いアヒル"は?
この戦略を、
『大企業だからできることでしょ』
と片付けることは簡単です。
ですが、僕が伝えたいことは、
"この戦略をあなたも応用できないか?”
ということです。
“敵役”はアフラックのように作り出すこともできますが、
既に存在しているもの、例えば・・・
・銀行
・ハウスメーカー
・保険会社
・保険ショップ
・証券会社
・信託銀行
などでも行けるはずですよね。
そして、自分の存在を”正義”として
感じてもらえるようにするのです。
こんなことを言うと、
『敵を作りたくないからそんなのイヤ!』
と反論されそうですが、よっぽど情報発信力が
ない限り相手にされないんで大丈夫です。
(媒体は選ぶ必要はありますが・・・)
それよりも優先すべきは、
『あなたのメッセージをわかりやすく伝えること』
です。こっちの方がはるかに大事です。
その為の手段として、この『悪V.S.正義』
という構図を作り出す事はとても有効です。
・・・
あなたが伝えたいメッセージを伝える上で、
”敵役”にふさわしい存在は何でしょうか?
そして、その”敵役”の存在を
利用することはできないでしょうか?
今度、アヒルのCMを見た時にでも考えてみて下さい。
あなたにとっての『黒いアヒル』が見つかれば、
もっとわかりやすいメッセージを作ることができるはずです。