コストカッターFPは嫌だ

昆知宏

私がFPとして独立した時に流行っていた手法があります。

それは住宅ローンの借り換えで、削減した金額に対して、報酬をもらっていたというやり方。

業法的に極めて濃いグレーとなったいま、これをしている人はほとんど見かけないようになりました。

こういったものはあっという間に、オンラインの自動計算(AI)に置き換えられて、みるみるうちに商売にならなくなってしまいますよね。

いわゆる、

今よりも〇〇万円安くなります・得しますというコストカット型の提案は長く続かない。

最近の節税保険の売り止めの動きをみていてもそんな風に感じてしまいました。

コストカッターFPからの脱却

「今よりも〇〇万円得します!」

というのは強いコピーであり人々の関心を引き寄せることが容易にできます。

なのでコンサルティングというよりも単純な損得計算だけの話であるためとっかかりやすいビジネスと言えるのでしょう。

しかしこの手の提案の場合は、自分ではない他のFPでも似たような提案が容易にできるためビジネス的にも危ういという一面があります。

しかしそれ以上に私が思ったのは、

「今よりも○○万円得します!」
というクロージングでお客さんを獲得しても、あまりやりがいがありませんでした。

というのも、お客さんとの関係性が単純にお金の損得だけになってしまい、

様々な理由でそれがうまくいかなかった時に報酬を請求するのもきまずくなるし、
なんかお金だけの関係がなんとなく嫌だったのです。

強いコピーを捨てた

そのような理由で私は、コンサルティング契約を案内するときに

『〇〇万円得します』

という表現を前面に出すのをやめました。

そうではなくて、

『お金のこと、家のことを真剣に一緒に考える相談相手になります。』

という切り口にしたのです。

これははっきりいって、コピー的にはよいものではありません。

なんかもやっとしていて、ふんわりしていてコピーが弱いのです。

そのため成約率も落ちました。

以前、住宅FPの方と情報交換会を行った時に、私は断トツで初回面談からのコンサルティング契約移行率が悪かったです。

原因は分かりませんが、強いコピーを使っていないことにもあると思います。

しかし、お金の損得も大事だけどそれよりも相談を機会に家計全体をしっかり見直したいという人と一緒に仕事ができるようになったのです。

そして客層が変わる

これまでの経験上、コストカット目的で依頼を受けた案件は一定数で微妙な思いをしました。

家計にしっかり合ったものを提案しようにもそれではコストカットにならない!
と、なんだか不満という感じであったり、

削減できるものが終わったら、連絡をしても連絡がかえってこなくなったりして、
単なるコストカッター屋さんとしてしか見られていない感じがしました。

それ以外の本質的な大事なところである安心な生涯設計の立案や、後悔のない住宅購入など、コストカットではなくても、相談料以上の価値を提供していたのですが、

当然ながら、

お客さんが求めていたものは、純然たる単なるコストカットです。

あなたはどうでしょうか?
私はこういう依頼はあまりしたくありません。

そうではなくて、お客さんの将来に寄り添って、目の前の損得だけではなく、
長期的に自分の価値観に沿ったライフスタイルを実現していくために
家計をより強固なものにしていく。

こういった提案を打ち出すようになってから、
当然ながら自分に合ったお客さんだけが付くようになりました。

成約率はぐっと下がったものの、私はとても満足です。

コストカッターFPと、コンサルティングFPは全く異なるもの。

どちらがいい悪いではなく、あなたが違和感を感じているのなら方向性をしっかり決めることで
仕事から得られる満足度・達成感はグッと高くなるはずです。

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この記事を書いた人

昆知宏

新潟の住宅会社に営業として勤めた後、『特定の会社に属さずに、客観的な立場から住宅購入をサポートできるFPになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするFPとして、新潟でこれから家を買う方への相談を行っている。コンサルティングフィーは土地建物価格の1%と高額ながら、多くの顧客に支持されている。

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