「良い広告」と「ダメな広告」の決定的な違い

今から100年以上も前、

1904年のアメリカでの話です。

 

後に「広告業界で最も稼いだ人物」

と賞される人物がいました。

 

彼の名はアルバート・ラスカー。

 

彼はテキサス州に生まれ、

わずか12歳から自分で新聞を発行していました。

 

それも、ただ新聞を発行するのではなく、

その新聞に載せる広告から収益を稼いでいました。

 

つまり、その頃から既に広告に対する造詣が深く、

どうやったらお金を稼げるかを理解していたのです。

 

アルバート・ラスカーはその経験から身につけた

広告の知識を基に、シカゴ市内で一番大きい

広告代理店のロード&トーマツに入社します。

 

その時の年齢は、若干19歳。

 

しかし、その若さにも関わらず常識では考えられないような

実績を積み上げ、たちまち巨万の富を築き上げていきました。

 

当時の大統領の年収が1万ドルであった時代で、

1週間に1,000ドルを稼いでいたといいます。

 

彼の残した実績は単に広告だけに留まらず、

人々の生活に大きな変化をもたらすほどでした。

 

代表的なものとしては、サンキスト社のオレンジジュースの広告を行い、

今まではそのまま食べる事がほとんどだったオレンジをジュースとして

飲む文化を普及させたと言われています。

 

彼は多くの広告キャンペーンは大成功に導き、

若くしてロード&トーマツ社の代表になりました。

 

 

天才でもわからなかったこと

 

 

しかし、天才としか言いようのない彼にも、

広告について、完全に理解してない部分があったのです。

 

それは、、、

 

「広告とは何か?」

 

という問いに対する答えです。

 

確かに、広告を成功させ莫大な利益を出す事

には成功していました。

 

しかし、その成功の根底にある”広告の本質”

のようなものを上手く掴み切れていなかったのです。

 

アルバート・ラスカーは、

この質問の答えを長い間探し求めました。

 

「何が広告の成功のカギとなっているのか?」

「一体、広告の本質とは何なのだろうか?」

 

とりわけ研究熱心な性格であった彼は、

その答えを常に探し求めました。

 

そして、考えること7年間。

それでも、真の答えには辿り着いていませんでした。

 

実績を出す事はできるけれども、

それを上手く説明することができない。

 

そんなもどかしい感覚を長い間持ち続けながら

広告の作成を行っていたのです。

 

 

真実を知る瞬間

 

 

そして、いつものようにオフィスの

2階で仕事をしている時のことです。

 

秘書が彼の元にやってきて、

ある1枚の小さなメモを渡しました。

 

その小さなメモには、

丁寧な字でこう書かれていました。

 

 

『ラスカー様へ。私は、あなたが「広告とは何か?」に

対する答えを探していることは存じ上げております。

 

恐らくあなたはまだ、その答えを見つけることはできていないでしょう。

 

しかし、実を言うと私はあなたが知りたいその

「広告とは何か?」の質問の答えを知っています。

 

そこで私は今、あなたにその答えを伝えるために、

あなたのオフィスの下で待っています。

 

もしその答えを知りたいなら、私をあなたのいる

オフィスに通してくれるよう秘書に伝えてください。

 

ージョン・E・ケネディ』

 

 

このメモを見たアルバート・ラスカーの心は激しく動きました。

 

「長年探し求めていた答えをこの人物は知っているというのか?」

「本当にその答えを知る事ができるのか?」

 

疑問を持ちながらも、それ以上にその話を

聞きたいという強烈な欲求が上回りました。

 

そして、彼は興奮しながら秘書に

その人物をオフィスに招くように伝えました。

 

その2、3分後、、、

 

その手紙の差出人はオフィスへの

階段をコツコツとゆっくり音を立てながら昇ってきました。

 

そして、手紙の差出人である

ジョン・E・ケネディの口から発せられた言葉。

 

「広告とは何か?」

 

という質問に対する、本当の答え。

 

それは、広告界の歴史の中で最も重要な言葉となったのです。

 

 

本当の答え

 

 

その言葉は、たった3つの単語でした。

 

しかし、たった3つの単語にも関わらず、

現代の広告の礎として現代に受け継がれています。

 

その3つの単語とは、、、

 

 

「Salesmanship In Print」

 

 

です。

 

日本語にすると、「紙の上の営業マン」

というような意味になります。

 

この原則は、そこから100年以上経った

今も全く変わっていません。

 

優秀な広告作成者はみなこの原則に

従って広告の作成を行うようになりました。

 

”近代広告の父”と呼ばれるデイビット・オグルビーも、

 

「これ以上うまく広告について正しく定義している言葉はない」

 

と称しています。

 

全ての広告は、

この考え方に沿って作られるべきです。

 

FPライズでお伝えする情報は、

全てこの考えに基づいています。

 

ダイレクトメールでも、チラシでも、

ホームページでもそうです。

 

インターネットを使っていても、

この考え方は共通です。

 

広告は営業マンのように、それを見た人に何らかの行動を

取ってもらうよう働きかけなければなりません。

 

 

行動を取ってもらえるかどうか?

 

 

広告とは、見る人の注意を引いて興味を持たせ、

説得をし、行動を起こしてもらう為のものです。

 

「この広告は上手い!」と感心してもらうことや、

”良いイメージ”を持ってもらうことは広告の本質ではありません。

 

この観点を持って広告を見る事ができると、

 

”良いホームページ” と ”悪いホームページ”

”良いダイレクトメール” と ”悪いダイレクトメール”

”良いチラシ” と ”悪いチラシ”

 

が分かってくるようになります。

 

優秀な営業マンのように、ある行動を取ってもらう為に

上手いセールストークができているのが良い広告です。

 

広告を作る時は、

この考えに従って作っていきましょう。

 

「どうやったら、これを見た人に行動を起こして

もらえるように説得する事ができるのか?」

 

この考えが根底にあるかどうかで、

広告から得られる結果がガラリと変わるはずです。

石塚 駿平
株式会社FPライズ代表。独立FPに専門特化したコンサルティング、セミナー開催などを行っている。現在は依頼のほとんどを断っているが、相談料5万円の住宅相談をネットから月10名集客、開業コンサルティングを行なったFPが独立後15日で100万円以上の売上げを達成など、多くの成果を上げている。

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