仕事を辞めて働かずに生きる?

石塚駿平

最近、Youtubeを見ていたら

『FIRE』

に関する動画が出てきました。

『FIRE』というのは、昆さんが以前この記事でも書いていたのですが・・・

FPとして【FIRE-経済的自由-】を届けてみた

経済的な独立を得て早期にリタイアすることですね。

中身はFPであればとても基本的なことですが、

『投資によるリターンが支出を上回ればセミリタイアできるよね』

というものみたいですね。

忙しくてストレスの溜まるサラリーマン生活から抜け出して、人生の自由を謳歌する。

その言葉を聞くと無条件で魅了される人が多いと思いますが・・・

個人的には、これって危険なんじゃないかと思っています。

なぜなら・・・

セミリタイアは本当に幸せ?

セミリタイアをすることが本当に幸せなのか?

というと、僕はちょっと違うと思っているからです。

恐らく、セミリタイアに憧れる大多数の人がセミリタイアをしたいと思っている理由は、

『今やっている仕事が大変だから、早く解放されたい!』

ということだと思います。

つまり、動機付けが今の環境にあるということですね。

この状態でセミリタイアを実現して、仕事から完全に解放されたとしましょう。

そうすると、もう働く必要はなくなります。

残業もすることはない。

口うるさい上司もいない。

面倒な人間関係ともおさらば。

動機付けがなくなったらどうなるのか

こんな状態が続いたら、何が起こるでしょうか?

『今やっている仕事が大変だから、早く解放されたい!』

という動機付けがなくなりますよね。

そしたら、何もしなくていい自由な時間の価値というのはガクッと減ることになります。

こうなると、セミリタイアをした理由が失われてしまうでしょう。

お腹が空いていたら焼肉屋さんに行っておいしいお肉をたくさん食べたいと思いますが・・・

お腹がいっぱいな状態になったら、もう焼肉食べたくないですよね。

暇で飽きる

これと同じことが、セミリタイヤすると起こります。

例えば、タイの南国リゾートに行ってビーチで1日ダラダラする。

これは、仕事が忙しくて忙しくて仕方ない状態だったら死ぬほど憧れますが、、、

全てから解放された状態で実際にやってみると、3日で飽きると思います。

動機付けがないですからね。。

何もやることがないと『暇が苦痛』という状態になってしまうのです。

実際にセミリタイアした人の話

実際に僕はセミリタイアした人に会ったことがあるのですが、その人は1年か2年くらいしたら仕事に戻っていました。

同じようにセミリタイアした仲間がその人にはいたそうですが、その人たちも同じように仕事に復帰していったそうです。

その仲間内で共通していた認識としては、

『社会に対して何も貢献できてない自分を見て"マイルドな不幸感"を感じていた』

というものだと聞きました。

やはり人生、何かやりがいがないと腐っていってしまうものですね。

僕も大学時代に何もすることがなくて3日くらい家でボーッとしていた時は、幸せに感じることは全くありませんでした。

逆に、辛くてしょうがなかったです。

FPの付加価値を高めるアドバイス

ここまでの話を踏まえて僕が考えたのは、

『セミリタイアの後の人生のこともアドバイスができるFP』

になることができれば非常に価値が高いんじゃないか?

ということです。

セミリタイアをする為に必要な金銭的なアドバイスにももちろん価値はありますが・・・

その後の人生の意義をどこに見出していくのか?

という所まで踏み込んだアドバイスができると、大きな付加価値があると感じます。

収支の計算や資産運用などのテクニカルな部分は、AIなどのテクノロジーがカバーする範囲を広げていくでしょう。

そうなった時に、FPが人間しかわからない部分、例えば

・人生のやりがい
・人はどんな時に幸せを感じるのか
・どういった考え方で生活をすればいいのか

こういったことまでアドバイスができれば、唯一無二の価値を提供できるはずです。

どうやったらアドバイスができるようになる?

そういったアドバイスができるようになる為には、方法は2つあると思います。

1つは、自分で経験してみること。

セミリタイアをするのは難しいと思いますが、例えば仕事を1年休んで田舎で過ごしてみる、というのはできそうですよね。

もう1つは、色々な生き方をしている人の話を聞くことです。

今の時代、教育を受けて就職し、60歳になったら定年という生き方がだんだん変わってきています。

また、ネットも発達したことでオフィスに行く必要もなくなり、働き方も多様化している真っ最中です。

今までとは違う生き方をしている人は、探せば見つけることができるはずです。

そういった人の話を聞き、考え方を学んでいく。

それを続けていき色々な生き方を自分の頭の中にインストールするだけでも、アドバイスの幅が広がるはずです。

僕も、1年か1年半くらいの世界一周旅行を計画しているので、そういった意味では

『多様化する働き方・生き方』

の1例になるかと思います。

・・・と、なかなか大きな話になりましたが、

『働き方や生き方のアドバイスができるFP』

が大きな価値を持つ時代がやってきたのは間違いありません。

なのでぜひ、この考え方を頭に入れてみてくださいね。

石塚 駿平
株式会社FPライズ代表。独立FPに専門特化したコンサルティング、セミナー開催などを行っている。現在は依頼のほとんどを断っているが、相談料5万円の住宅相談をネットから月10名集客、開業コンサルティングを行なったFPが独立後15日で100万円以上の売上げを達成など、多くの成果を上げている。

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