心筋梗塞になった話

石塚駿平

その日の朝、僕はいつもの
スタバで仕事をしていました。

いつもの同じ席、
いつもと変わらぬルーティーン。

何の変哲もない日のようでしたが、
パソコンを操作している時になんだか、
胸のあたりが圧迫されるような痛みを感じました。

朝の11時頃の話です。

最初は”違和感"程度だったのですが、
徐々に痛みは強くなります。

次第に、その痛みは他のことが
ちょっと手に付かないレベルになりました。

まるで、上から大人の男性に常に
乗っかられているような痛みです。

この時に、僕は

「またか、、、さすがにこれはマズイな・・・」

と頭の中で思いました。

不安な痛み

実は言うと、この日の前の午前中に、
同じような痛みを感じて病院に行ったのです。

その日は祝日だったのですが、
幸いにして近くに大きな病院があり、
そこの救急外来を受診。

レントゲンと心電図のチェックを
しましたが、その結果は

『何も異常はない』

とのこと。

その日は一安心して家に帰り、
何も問題はなかったのですが、
同じような症状がまた出たのです。

しかも、痛みはひどくなっています。

常に眉間にしわが寄るような痛みです。

「これはすぐにまた病院に行かなければ・・・」

と感じたので、痛みで前かがみに
なりながらスタバを出て病院に行きました。

検査の結果は・・・

受付に話をすると、午前中の
診療は終わったとのことでしたが、
症状が症状などで割り込んで入れてもらえることに。

大きな病院なので人でごった返して
いましたが、しばらく待っていると
診療の順番が回ってきました。

担当の医師に症状の話と、
昨日に行ったレントゲンと心電図と話をすると、

「恐らく大丈夫だと思いますが、
血液検査とCTを行いましょう」

との返答。

そして、そこから昼ごはんを食べずに
順番を待ち、検査の結果を待ちました。

検査は、確か2時間くらいで終わったと思います。

医師からは「恐らく大丈夫だと思います」
と言われていたので、その時はあまり
心配していませんでした。

しかし・・・

検査の後、医師から告げられたのは、
安心ができるものではありませんでした。

衝撃の結果

その医師は、開口一番にこう言いました。

「結論から言いますが、怪しいですね。」

・・・

これ、実際に言われると怖かったですね。

まさかこの年でそんなことを
言われるとは思っていなかったので、
一気に不安が押し寄せます。

そして、検査の結果を教えてもらいました。

どうやら、血液検査で異常値が出たそうです。

何でも、

『心筋トロポニン』

という数値が問題で、通常であれば

『0.00〜0.04』

であるべき数値において

『0.71』

という数値が出ている。

これは、2回試したが2回とも
同じ数値が出たので間違いがない、
とのこと。

ざっくり意味合いを説明すると、

「心臓にしかあってはいけないものが、
心臓以外の部分に漏れてしまっている」

ということらしいです。

・・・怖い。

・・・さすがにこれは怖いです。

そして、医師はその原因を調べる
為にさらなる検査を僕に勧めました。

それを断る理由はなかったので、
そのままさらなる検査に進むことに。

そこからは、

「念の為」

ということで車椅子に乗せられて
さらなる検査に向かいました。

車椅子で検査へ

検査としては、心臓のエコーと
“造影剤"という画像診断検査をより
分かりやすくする為の薬を注射しての
再度のCTスキャンでした。

毎回毎回、車椅子で看護師さんに
それぞれの場所に連れて行ってもらいます。

これらの検査も時間がかかり、
2時間ほどかけて全ての検査を終了。

その後は、また車椅子で医師の元に戻り
検査の結果を聞くことになりました。

そして、その結果は・・・

軽微な心筋梗塞

「恐らく、軽微な心筋梗塞のようなものです」

医師は、そう言いました。

「え!?心筋梗塞!?
それってすぐ倒れるヤツじゃないの?」

と思ったのですが、医師が言うには

「心臓の血管が痙攣を起こし、
軽微な心筋梗塞のような症状が出た」

可能性が一番高い、とのことです。

その場合は、すぐに倒れるという
ことはあまりないとのことでした。

幸いにして心臓の他の部分には問題はなく、

「すごくキレイな心臓ですよ」

と言ってもらえました。

しかし、症状が再発する可能性もあり、
重篤化した場合には大事に至る可能性も
あるということで、入院も提案されました。

ただ、あまり良くないかもしれませんが

「病院の近くで仕事をしていれば大丈夫かな・・・」

と思ってしまったので入院はせずに
様子を見ることにしました。

ちなみに、この症状名は

「冠攣縮性狭心症」

と言って、めちゃくちゃ
珍しいものではないそうです。

あなたの身に起こったら?

医師からは症状を押さえる為の薬と
発作が出た場合にその症状を押さえる
ニトログリセリンを処方されました。

まさか、この年でそんなものを
持つことになるとは・・・

人生、何が起こるかわかりませんね。

病院には結局ほぼ丸一日いて、
僕が帰るころにはほとんど閉まっていました。

非常に長い一日でしたが、
その中で何度も頭をよぎったことがあります。

それは・・・

『もし自分が働けなくなったらどうしよう・・・』

ということです。

まあ、例え入院してもパソコンがあれば
ある程度仕事ができるようになっているので
問題がないと言えば問題ないですが、、、

やっぱり、考えてしまいますね。

「自分の行動が制限されても、
ちゃんと売上をキープできるかな?」

とか、

「やっぱり、自分が健康なことを
前提に考えてしまっている部分があるな」

ということです。

こういったことは、実際に何か
起こらないと真剣には向き合いませんよね。

でも・・・

幸いなことに私たちは、

「想像をする」

ことができます。

「自分が倒れたらどうなるだろう?」

「こういった部分は動かなくなる
から問題が起こってしまうな」

「こういう体制を作っておければ
業務がストップすることはないな」

こういったことを想像し、その事態が
起きた時の準備をすることができます。

『愚者は経験に学ぶ』

という言葉があったりしますが、
想像力を働かせることができれば
そんなことはせずに済みますよね。

僕は、このようなことが自分に
起こるなんて想像もしていませんでした。

これは、あなたも同じです。

想像もしていない不測の事態が
あなたの身にも起こるかもしれません。

そうなった時に、あなたのビジネスは
どんな状態になるでしょうか?

そして、問題が起こることが予想される
場合はどんな対策ができそうですか?

これは、何かが起こる前に考えておく
べき価値のあることだと思います。

なので、ぜひ考えてみて下さいね。

石塚 駿平
株式会社FPライズ代表。独立FPに専門特化したコンサルティング、セミナー開催などを行っている。現在は依頼のほとんどを断っているが、相談料5万円の住宅相談をネットから月10名集客、開業コンサルティングを行なったFPが独立後15日で100万円以上の売上げを達成など、多くの成果を上げている。

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