影響力と正しさは別物

執筆者:昆 知宏
   

SNSやYouTubeで見ていると、普通に間違っている内容を発信している人を見かけます。

例えば私の趣味である車の世界に例えると、
ホンダの軽自動車のバンでN-VANという車があるのですが、一部の車好き界隈では4WDかつ、マニュアルかつ、ターボという設定があれば即買いしたいという層がいます。私もその設定に心惹かれます。

先日この条件を全部満たすN-VANがラインナップにあります!という動画を見て、「え?ほんと?ついに出た?めっちゃ興味ある!」という感じなので、視聴者数がかなり増えていました。しかし、実際にはその設定の車は販売されておらず、単なる間違いでした。知っている人からすれば、ウソの情報でアクセスを増やすなんてなんとも不愉快な話です。

専門的な知識がある人から見れば、「それ違うよね」と思うような内容が、それなりの再生回数やフォロワー数を集めていることは珍しくありません。

きっと皆さんも、自分の専門分野で同じような経験があるのではないでしょうか。

そんな時、あなたはどうしますか?

コメントで指摘しますか。
SNSで反論しますか。

(私は何もしません。)

正しさと影響力は別物

正しい情報が広がるとは限りません。

むしろ、

分かりやすい情報
刺激的な情報
不安を煽る情報

のほうが広がりやすいこともあります。

一方で、本当に大事な話というのは往々にして地味です。

住宅ローンもそうです。

先日、フラット35の金利が急騰して既にフラット35で申し込んで家づくりの途中の人は、ご愁傷様ですみたいな投稿がバズってました。

まず既に不安でいっぱいになっている該当者に対して非常に配慮に欠けていると思います。
この時点でそんなんでバズって収益化してまでお金が欲しいのかと思ってしまいます。
おそらくそれほど専門知識のない方が、AIで作ったものなのでしょう。

そして、実際のところその投稿の中でフラット35で既に申し込んでいる人は他の住宅ローンに今からかえられない(だからご愁傷様ですと)という内容もあったのですが、これは事実と異なります。

私の顧客には固定金利で進行中の人へも、変動への切り替えの道があることや、シミュレーションを作って精査することをしています。

このように実際には個別事情で答えが変わるものばかりなのですが、SNSでは断定したほうが伸びます。

だから極論が増えるのです。

インフルエンサー時代のFPの役割

最近は家づくりを考える人の多くが、何らかのインフルエンサーの影響を受けています。
そういう意味では、彼らの発信力は本当にすごいと思います。

一方で、そのレベルにはかなりの差があります。
非常に勉強されている方もいれば、専門家から見ると首をかしげる内容を発信している方もいます。

だからこそ、私たちFPの役割は大きいのだと思います。
SNSで誰かを論破することではありません。
そんなことしても確実に心がやられますよね。

相談に来てくれた人に対して、

「その情報にはこういう見方もありますよ」
「あなたの場合はこちらのほうが合っているかもしれませんね」

と、一人ひとりに合わせて整理してあげることです。

情報があふれる時代だからこそ、本当に必要なのは情報を増やす人ではなく、情報を整理できる人なのかもしれません。

昆知宏
新潟の住宅会社に営業として勤めた後、『特定の会社に属さずに、客観的な立場から住宅購入をサポートできるFPになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするFPとして、新潟でこれから家を買う方への相談を行っている。コンサルティングフィーは土地建物価格の1%と高額ながら、多くの顧客に支持されている。

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