お金を払ってもらう前にFPがすべきこと

石塚駿平

先週末、富山に行ってきました。

目的は寒ブリを食べるため。

妻がブリ好きなので、冬が終わる前に
おいしいブリを食べに行こうということで
ブリで有名な氷見に行くことにしたのです。

調べてみると、民宿みたいな小さな旅館が
宿泊とセットで料理を出していることが多く、
それが良さそうだったのでそうすることに。

1人夕朝食付で2万円くらいだったので
そこそこしましたが、せっかく行くのなら
おいしい料理が食べたいので予約をしました。

そんな流れで富山に行ってきたのですが、
その旅行の中で1つ、とてもマーケティング的に
素晴らしいと思うことがありました。

これは、独立FPとして活動を行っているの
であれば必ず役に立つことなので、
その内容を紹介していきたいと思います。

もう、お腹いっぱい・・・

富山に着いてからは、レンタカーで氷見に行きました。

もし天気がよければ富山連峰がキレイに見えるかと思ったのですが・・・

あいにく当日は曇り。

その次の日は少し晴れたのですが、
空気が霞んでいたのではっきりとは見えませんでした。

それでも十分に良い景色でしたが、これはまた次の機会ですね。

そして、肝心のブリは美味しかったです。

揚げ物など珍しい料理に加えて、
定番の舟盛りやブリしゃぶなど、
いろんな形でブリを楽しむことができました。

にしても、旅館の料理って多いですよね。

僕らは中盤でもうお腹いっぱいになってしまいました・・・

後半にすごいおいしいブリかまが出てきたのですが、
お腹がいっぱいで楽しむ余裕がありませんでした。。

もしお腹が空いてた状態で食べたら、きっともっと楽しめたと思います。

死ぬほどお腹を減らせばいいんですかね??

ブリでお腹がいっぱいになりすぎたせいで、
最後に出てきたほうじ茶のジェラートが
めちゃくちゃおいしく感じました。

世界遺産で受けたサービス

そして、はじめにお伝えしたマーケティングの
学びについてですが、実は言うとこの
ブリの旅館の話ではありません。

そこに泊まった後に行った、世界遺産の白川郷での話です。

合掌造りの集落として有名な白川郷ですが、今では世界的な観光地ですよね。

僕らが行った時はコロナウイルスの影響か、
心なしか中国の人が少なかった気がしますが、
それでもツアーバスの駐車場はほぼ埋まっていました。

そんな中、写真を撮りながら白川郷を散策して
最後は集落が見渡せる展望台まで徒歩で登ることに。

そして、展望台の写真スポットに着いたとき、
とある男性スタッフが観光客に向けてアナウンスをしていました。

『無料で写真撮影をしていますー!』

と、日本語と英語と中国語で喋っています。

どうやら、持っているカメラを渡すと、
無料で写真を撮ってくれるサービスのようです。

無料の写真撮影からお金を生む仕組み

自分のカメラを使って写真を撮ってくれるのなら、
撮ってもらいたい気分になりますよね。

しかも、背景は集落を見渡せる絶好のロケーション。

写真を撮るにはもってこいの場所です。

その男性スタッフは観光客の出身地を聞いて、
その人がタイから来たとわかるとタイ語で話すなど、
とても器用に対応をしていました。

ただし・・・

もちろん、良いことづくめではありません。

彼らは無料で写真撮影をするだけではなく、
そこからお金を生み出す仕組みを持っていました。

断れない入り口

『あなたのカメラで写真を撮ってあげますよ』

というのは、

『断ることができない無料オファー』

です。

そのオファーに乗ってカメラを渡すと、
展望台の写真スポットで写真を撮ってくれます。

しかし、写真を撮ってくれるスタッフは
自分たちのカメラも持っており、そのカメラでも撮影を行います。

そして、その写真スポットで写真を撮り終わって
下に降りると、とあるブースが設置してありました。

現像された写真を買うことができる

そのブースでは、さっき撮った写真が既に現像されており、
観光地っぽいフレームにキレイに収まっています。

そして、その写真を買いたい場合は2,000円
(正確な金額は忘れました・・・)を払う、という仕組みです。

ただし、しつこいセールスはありません。

あくまで気に入ったら買う、という感じです。

なので、気分が悪くなることはありませんでした。

僕たちは写真を買いませんでしたが、一定数の人はこの写真を買うでしょう。

実際に僕はバルセロナに行った時に、同じ手法でまんまと写真を買った覚えがあります。

そして、良い思い出として残っています。

素晴らしいマーケティングの学び

これには、マーケティングにおける素晴らしい学びが隠されています。

それは何かというと、

『人は、具体的に見えるものの方がお金を払いやすい』

という原則です。

もし、写真撮影をしているスタッフが、

『カメラで撮った写真をすぐに現像して
きれいなフレームに入れた2000円で販売できますよ』

と言ったら、写真が売れることはないでしょう。

しかし、実際に現物を見せて

『お金を払えばこれが手に入りますよ』

という風に伝えると、売れる確率は格段にアップします。

なぜなら、手に入るものが具体的だからです。

FPは具体的にサービスを見せられない?

「でも、そんなこと言ってもFPのサービスは
目に見えないから同じことはできっこないでしょ」

と思われるかもしれません。

たしかに、写真のように超具体的なものを提示するのは無理でしょう。

しかし、できないと考えているFPが多いということは、
その中で抜きん出るチャンスがあるということです。

差別化ができるチャンス

例えば、他のお客さんに出している
アウトプットの例を見せてあげて、

『サービスを受けることで、
これのあなただけのバージョンが手に入りますよ』

という方法は使えそうですよね。

キャッシュフローの出力結果だったり、
何かしらの診断結果を印刷したものを見せれば
具体的にイメージしてもらうことが可能です。

また、実際に相談したお客様の
ビフォーアフターを数値で見せてあげたり、
感想の声や顧客インタビュー事例を見せてあげるもの有効です。

さらに、ブログをやるのであれば持っている
ノウハウを隠さずに先に出したり、、、

無料相談の中でコンサルティングに近い
内容を提供して価値を実感してもらうという方法もあります。

このように、実物そのものを見せてあげられなくても、
やり方を考えれば、

『サービスを受けたら何が手に入るのか?』

をイメージしてもらうことは、工夫次第で可能なのです。

口だけでは伝わらない

口でいくらサービス内容を説明したとしても、
伝わるのはほんのわずかでしかありません。

実物を見せるのを100だとすると、
口だけだと20か30しか伝わらないでしょう。

自分はサービス内容を100%わかっているので、
それを説明すればお客さんも100%サービス内容を
わかってくれると思いがちですが、それは誤りです。

ここには、FPが努力をする余地が隠されています。

今回のように写真を現像をして見せてあげる
というのはある意味究極系で、FPにはなかなか
真似できないことですが、目指すべきイメージはそこです。

具体的に何ができるのかをわかりやすい
形でイメージができるように伝えてあげれば、
お客さんの反応は必ず良い方向に変わるでしょう。

これは、マーケティング的には非常に重要な
ポイントなので、ぜひ参考にしてもらえればと思います。

石塚 駿平
株式会社FPライズ代表。独立FPに専門特化したコンサルティング、セミナー開催などを行っている。現在は依頼のほとんどを断っているが、相談料5万円の住宅相談をネットから月10名集客、開業コンサルティングを行なったFPが独立後15日で100万円以上の売上げを達成など、多くの成果を上げている。

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