安売りするなら裏メニューで!?

昆知宏

住宅業界の話。

コロナ禍で家にいる時間が多くなり、
アパートの人は居住空間の狭さや
快適ではないということもあり、
家づくりを考えている人が増えているそう。

たしかにその傾向は私も感じています。

しかし未来を見通せなかったり、
収入減少が発生しはじめていることも事実。

大きな収入減少を起こしている人は
当然家を買おうなど思いませんが、

軽度な収入減少の方々は気にせず、
家を買いたいという気持ちの方が
どうも勝っているようです。

そこでそのような層を狙い撃つために
今年のトレンドはとにかく低価格化。

定額制セミオーダー住宅みたいなものが
住宅業界で流行っています。

要はちょっとだけ手を入れられるけど
形の決まっている規格住宅ですね。

定額なのでパンフレットにプライスも
入っていて分かりやすいため
この手の商品が今売れているようです。

そこである住宅会社からこのような相談を受けました。

「うちも今流行っている定額性のローコスト商品を開発して
どんどんアピールしていこうと思っているんだけど、どう思う?」

私は断固反対、その理由は?

その住宅会社は普段はローコスト価格帯ではなく
中価格帯の家づくりを行っています。

いわゆる注文住宅と言われるジャンルで
形の決まった規格住宅はこれまで
やってきませんでした。

しかしこの経済状況下から、
普段よりも20%ほど価格の安い家を
望む人が増えてきており、
その層を取りこぼしたくない。

こう言うのです。

確かに目の前のテーブルに座ってくれた人には
なんとかしてあげたいという気持ちは分かります。

うちは無理ですので他に行ってくださいって
なかなか言えないですよね。

でもだからとって、

20%安く建てたい層をターゲットに
事業展開を大々的にしていったら
どうでしょうか?

あなたがこのような相談をされたら、
どう答えるでしょうか?

私が反対した理由は、
規模の大きな住宅会社がその流れの
最先端にいっておりその商品と比較して勝ち目が薄いから。

体力勝負は小規模事業者には勝ち目がないからです。

※もっと安くもっと性能がいい

一度そういったものを打ち出すと
そういうお客さんばかり来てしまう。

これに尽きます。

安さは最大にして最強の武器

価格の力は偉大。

値段がついている商品は、
少しでも安ければ注意を引けます。

まさに価格は暴力。

しかし利益率を維持したまま価格を
落とした場合、品質は下がります。

当然のことです。

また、価格が商品選択の最優先という
価値観のお客様と対峙しなければなりません。

元々そういったジャンルが得意であれば
それでもいいのですが、

従来低価格帯のお客さんの相手を
してこなかった方が、

そこに手を入れるのはどう考えても
無謀です。

お客さんは一時的に増えるかもしれませんが、

・対応に疲弊
・利益率は下がる
・従業員の士気も下がる
・優秀な人材流出

などいい流れにならないのでは!?

とお伝えしたのです。

じゃあ、どうすればいいの?

「それは分かる。
でもさあ、黙ってこのトレンドを見過ごして、
お客さんに断れって言うのかい!?」

とちょっとムッとした感じで言われました。

正直コンサルをしているわけではないので
個人的な感想を言ったまでなのですが、

仲の良い方なのでもう一歩踏み込んで
一緒に考えてみました。

そこで私が導き出したのは、

「そのローコストメニューは、
完全に裏メニューにしたらどう!?」

っていうことです。

SNSにも載せない。
ホームページにも載せない。

従来通りのマーケティングで集客し
面談までいったお客様だけに、

どうしても価格だけの問題で先に
進めなくて、

かつ、どうしてもあなたにお願いしたい
とこう思っている人に、

裏メニューとして提供したらどうよ!?

という提案です。

聞いてみると年間にそういった要望の方は
2組程度のようでした。

決して多くはありません。

やっぱりそこに焦点を当てて大々的に広告するのは危険すぎます。

でもその2組はその会社のファンで、
どうしてもそこで建てたいけど、
どうしても予算が合わない。

強いファンだからこそ期待に応えたくなる。
(これはその通り)

もしかしたらそういったニーズって
世の中にも多いんじゃないか?
今取りこぼしているだけでそのお客さんをたくさんとれるのでは?
(これは間違い)

このような思考だったのですね。

これはよくありがちな思考法です。

一部コアファン向けの商品は、
表に出さないほうがいいのです。

結局、安いサービスを前面に出していくと
最後はそればっかりになる。

どうしても無理してでも期待に応えたい、
こういう時は裏メニューがおすすめ。

これはFPにも使えそうです。

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この記事を書いた人

昆知宏

新潟の住宅会社に営業として勤めた後、『特定の会社に属さずに、客観的な立場から住宅購入をサポートできるFPになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするFPとして、新潟でこれから家を買う方への相談を行っている。コンサルティングフィーは土地建物価格の1%と高額ながら、多くの顧客に支持されている。

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