執筆者:昆 知宏
私は年に4回、この時期を楽しみにしています。
それは「会社四季報」を読むことです。
四季報は2,000ページを超えるため、読みこなすには相当な時間が必要です。しかし、四季報は単に株式投資をするためのものではなく、日本経済を映し出す鏡とも言われる存在です。特に、ファイナンシャルプランナーにとっては、事実に基づいた貴重な知識を得るツールであり、知っておいて損はありません。
どんなふうに読むか
FPの中には、会社四季報を読むのが好きな方が多いように感じます。それぞれが自分のスタイルで楽しんでいます。私の場合は、紙の四季報を買い、証券コードの若い順から全ての会社の情報を読み進めます。気になる会社があれば、付箋を貼り、一言メモを残しておきます。このプロセスには約12時間を要し、1日2~6時間ずつ進めることで、2日から12日かけて読み終えます。スマホに手を伸ばす時間を四季報に充てるだけで、新しい発見があるのです。
私は集中するために図書館でこの作業をしていますが、平日の昼間に四季報を熟読している姿は正直どんなふうに見られているか、その目線はきっとポジティブじゃないかもしれません(笑)
実際に株式を購入する
読み終えた後は、付箋を貼った銘柄を再度確認します。気になった銘柄は100〜200にのぼります。その中からさらに掘り下げて調べ、実際に株を購入することもあります。購入の際は、現在の価格より10%低い値段で指値を入れ、うまく約定すればラッキーという気持ちで進めています。相場が大きく動く最近では、指値が刺さりやすく、購入する銘柄にも思い入れもあるしそして勝ちやすくもなります。
知っている業界や会社を深読みする
さらに、地元の企業や関連する業界のデータを深く読み解くことも重要です。たとえば、住宅業界では、国内市場が低迷していても海外で成功している企業が過去最高益を上げている例があります。対照的に、地方の企業は資金が潤沢でありながらも現状維持が精一杯というところが多いです。このように、四季報から読み取れる情報は単なる数字以上のものがあり、世間話やお客さんとの会話でも活用できます。FPとして、ぜひこのツールを日常に取り入れてみてください。