FP業務と家事

中西雅司

「苦手な家事は得意になるより任せる方が早い」

先日、池袋駅の構内の階段を昇っていると、駅の壁に貼ってある、縦80センチ・横120センチくらいの広告に、こんな内容が書いてありました。

その広告を見て、私は瞬間的に、

「確かに早いかもしれないけど、家事は、自分でできるようになっておかないといざという時に困る」

という風に感じました。

確かに、任せる方が早いなら、任せてしまった方がいいケースもあるかもしれません。

でも、家事が全くできないと、いざという時に困るというのも事実です。

先日被災した地震の時などは、特にそう思いました。

なので、「ある程度はできるようになっておくべきだ」と個人的には思います。

そんなことを考えながら、私は、広告を見ていたのですが、この広告は、

「家事を人に任せる家事代行サービスの広告」

ではありませんでした。

そうではなくて、何の広告かというと、、、

家事をするだけなら簡単ですが…

私は、大学から一人暮らしを始めました。

一人暮らしを始めるまでは、

「家事くらい苦労せずできる」

と思っていたのですが、そんなに簡単ではありませんでした。

単純に「家事をするだけ」ならそれほど苦労はしなかったのですが、

・料理のレパートリーを増やすこと

・栄養バランスを考えながら、食事を作ること

・色んな家事を同時進行して短時間で終わらせること

・忙しい時でも掃除や洗濯を継続的に行うこと

・お金を使いすぎないように食事を作ること

などは決して簡単ではありませんでした。

今でも身についてはいないものも多いです。

一見簡単に見える家事だったとしても、実際やってみると、うまくいかないこともたくさんありました。

それを3人の子育てをしながら、毎日やってくれていた母親には感謝の気持ちでいっぱいです。

FPビジネスは反対

さて、話はそれてしまいましたが、私はそういった「家事」については、

「最低限の自分でできるようになっておくべきで、安易に人に任せるべきではない」

という考えを持っています。

しかし、、、

FPビジネスは反対だと考えています。

FPの役割は幅広い知識を持って、様々な専門家や業者をコーディネートをする役割だからです。

過去の私がそうでしたが、私はFPとして独立した当初は、「すべて自分でやろう」と考えていました。

逆に、人に任せる、専門家をコーディネートするという発想がありませんでした。

そのため、FPの6分野すべてにおいて、各分野の専門家に匹敵するくらいの知識がないと、業務ができないと思っていました。

ところが、その観点で、情報をいくら取得し続けても、終わりが見えることがありませんでした。

「いつになったら、FPとして自信を持って、アドバイスができるようになるんだろう」

そのようにいつも考えていたのです。

専門家レベルまでの知識。必要?

でも、ある出会いから、目指すべき所はそこではないことに気づきました。

その方には今も色々とお世話になっていますが、その方にお会いできて、早い段階で、

「FPは、広い知識を活かして、適切な専門家につなぐことが大事だ」

ということに気づけて、本当に良かったと思います。

家事の場合は、自分でできるようにすることはそれほど時間がかかることではありませんが、FPの場合は、すべてを自分でできるようにしようとすると、途方もない時間がかかります。

いくら記憶力があったり、能力がある人でも、10年はかかるのではないでしょうか。

6分野すべての分野で、それぞれの専門家レベルまで詳しくならないといけないのですから。

専門家の脳を借りるという発想

もし、あなたが独立系FPとしての業務を早く軌道に乗せたいのなら、

「FPは広く浅い知識を持って、専門家をコーディネートすることが仕事」

という点を理解し、行動していくとよいです。

そうすることで、

「いつになったら、自信を持ってアドバイスできるんだろう」

という不安な気持ちはなくなります。

「自分にはない知識はその他の専門家の脳を借りる」

そういう視点と発想を持つことができれば、飛躍的に成功へのスピードが早くなるはずです。

P.S.

答えが遅れてしまいましたが、冒頭の広告はルンバ(ロボット掃除機)の広告でした。

この記事を書いた人

中西雅司

大手生命保険会社に約8年勤務後、2013年にファイナンシャルプランナーとして独立。これまで40万件以上のクレームを見てきた経験から、保険適正化コンサルタントとして活動をする。現在はFPのための経営コンサルタントとして、FPの育成にも力を入れており、『保険の販売手数料に頼らなくても、FPが活躍できる業界を作る』という想いの実現に向け日々邁進している。

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