『何でも屋』になっていませんか?

石塚駿平

『開業したばかりのFPが
よく犯してしまう間違いは、

より多くの顧客を獲得する
為に“何でも屋”になることが
重要だと信じてしまうことだ』

この前、FPジャーナルを見てたら、
このようなフレーズが書いてありました。

この意見には、100%同意します。

その通り!という感じですね。

日本のFPの方でも、

"これから独立したいと思っています"

という人に、どういった分野で
活動をするのかを聞いてみると、

『保険と相続、あと法人の財務の
三本柱でいこうと思ってます!』

と、このような返答が
返ってくる場合が多くあります。

集客の不安からくる考え

こういった返答をする人は、

『ひとつの分野に絞るよりも、
複数の入り口を用意しておけば
お客さんに困らないだろう!』

という考えに基づいている
場合がほとんどです。

"お客さんが取れないのでは?"

という不安を和らげる為に手を
広げる気持ちはわかります。

でも、、、

冒頭のフレーズにもあったように、
この考え方は間違っています。

自分目線?お客さん目線?

なぜ間違っているかというと、
決定的な理由として挙げられるのは

『お客さんの目線ではなく、
自分の目線だけで考えている』

ということです。

『自分はこれとこれができるから、
できることを全部やろう!』

という発想ですね。

この発想には、“お客さんの目線”が
そのまますっぽり抜け落ちています。

例えば、ラーメンとパスタと
天ぷらが作れるからといって、

『ラーメンとパスタと
天ぷらが食べれるお店です!』

と宣伝してみても、あまり
おいしそうではありませんよね。

これと同じことがよく
起こってしまうのです。

マーケティングを考える上で
重要なのは、お客さんの
目線で考えることです。

自分の活動内容を決める時も
この視点で考えていく必要があります。

レバレッジがかからない

そして、もう一つ理由として
挙げられるのは、

『複数のサービスを提供することで、
レバレッジがかからなくなる』

というものがあります。

3つの異なる種類のサービスを
提供するとなると、、、

ホームページにしろ、チラシにしろ、
3種類分を作る必要があります。

全てまとめたものを作ることも
できますが、それをやると例に挙げた

『ラーメンとパスタと天ぷらのお店』

みたいな中途半端な
ものになってしまいまい、
魅力的なものにはなりません。

なので、時間が3倍かかりますし、
お金も3倍かかります。

また、一つの分野でメディアに
掲載されても、その実績が他の
2つの分野のプラスになりません。

例えば、住宅の専門家として
雑誌にコラムを寄稿したという
実績があっても、、、

それが”相続の相談をしたい”という
お客さんにとってはあまり
アピールにはなりません。

つまり、シナジー(相乗)
効果が生まれないのです。

自分の時間をどう使うか?

自分一人でビジネスを行なうと、
思ったよりできることが少ない
ということに気付くはずです。

これは成功しているFPの方と
話すとよく話題に上がるのですが、、

一人でできることというのは、
思ったよりも限られています。

時間は有限です。

なので、特に一人でFP事務所をやる
なら"何をやるべきなのか”を
真剣に考えていく必要があります。

では、どのような基準で
判断するべきなのか?

ということですが・・・

お勧めなのは、

『これをやることは、自分が目標に
進むスピードを早めてくれるのか?

それとも、いったん自分の歩みを
止めてただ時間を使わなくては
いけないことなのか?』

と考えることです。

お金を得ることができても、
シナジー効果が生まれないなら
やる価値はありません。

逆に、シナジー効果がある活動に
だけ取り組むようにすれば、

・業務にかかる時間が短くなる

・サービスの質が上昇する

・ブランドを確立しやすくなる

・マーケティングが楽になる

このような結果を得ることができます。

・・・

もしあなたが複数のサービスを
同時に展開していきたいと
考えているのならば、、、

『お客さんの目線で考えているか?』

ということと、

『シナジー効果を生むものなのか?』

この2つの視点で考えてみて下さい。

そうすれば、間違いを犯さずに済むはずです。

石塚 駿平
株式会社FPライズ代表。独立FPに専門特化したコンサルティング、セミナー開催などを行っている。現在は依頼のほとんどを断っているが、相談料5万円の住宅相談をネットから月10名集客、開業コンサルティングを行なったFPが独立後15日で100万円以上の売上げを達成など、多くの成果を上げている。

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